【オデッセイ RC1】 インジェクターの不良で低速加速時ガクガクと失火したり、アイドリングが不安定になる!原因と修理実例をホンダ整備士が解説

オデッセイ
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Honda車のよろず相談所の工場長の経歴
●主な資格

  • 国家一級整備士
  • ホンダサービスエンジニア1級
  • フロントマネージャー資格
  • 自動車検査員

ホンダディーラー10年以上の知識と経験を生かして、誰にでもわかりやすく解説していきます。

オデッセイRC1で加速時ガクガクと失火したりアイドリングが不安定になる原因は?

記事内のエンジン警告灯やエンジンチェックランプとは【PGM-FI警告灯】の事を指します。

エンジンが失火を起こしているのであれば主な原因は下記の3つがあります。

  • プラグやトップコイルの故障
  • インジェクターの故障
  • エンジン内部故障による圧縮漏れ

一カ所でも不具合があるとエンジンは正常に燃焼が出来る、アイドリング不良や息継ぎなどのギクシャク感に直結します。

今回はインジェクターの不良だったので、修理費は85,000円程となりました。

ディーラーに持ち込んだ場合の修理費用は以下の通りです。

プラグやトップコイルの故障 約40,000円
インジェクター不良 約80,000円
エンジン内部故障による圧縮漏れ 約100,000円
修理費用の一覧

加速時ガクガクと失火したりアイドリングが不安定になったらどこをチェックしたらいい?

まずは原因を探る所から始まります。

プラグやトップコイルの点火系統やスロットルボディやインジェクターの吸気系、エンジン内部故障など目星をつけて診断を行います。

各所点検方法はこちらの記事で詳しく解説していますので、ご自身で診断してみたい方はご一読ください。

診断には、専用機器などが欠かせないので、お持ちでない方はディーラーへ依頼しましょう。
この手の診断費用の相場は5,000~10,000円が相場です。

自分で修理できるのか?

オデッセイを整備するホンダの整備士
車で困ったらホンダディーラーへ!

故障が特定出来て、もしプラグやトップコイルの不良くらいでしたら少し車を触れる方でしたら修理は可能です。

逆に、インジェクターや圧縮不良の場合はかなりの重整備になるのでディーラーへご相談ください。

今回は、ディーラーで実際にあった故障事例を紹介したいと思います。

加速時ガクガクと失火したりアイドリングが不安定になった症状で、実際にディーラーに修理に持ち込まれた事例

低速の加速時にエンジンがガクガクギクシャクしたり、アイドリング時のブルブルエンジンが震える時がある。
何度かメーター内のチェックランプが点灯した。

車種:オデッセイ
型式:DBA-RC1
走行距離:110000キロ

RC1のオデッセイ
RC1 オデッセイ

Q、本日はどうなさいましたか?
A、低速の加速時にエンジンがガクガクギクシャクしたり、アイドリング時のブルブルエンジンが震える時がある。また、アイドリング時にチェックランプが点灯した。

Q、チェックランプとはこのマークでしたか?

エンジン警告灯のマーク
エンジン警告灯

A、はい。その警告灯です。

Q、低速の加速時とは具体的に何キロくらいですか?
A、0~40キロの平坦な所でゆっくる加速した時です。

Q、加速時のギクシャクはいつもでますか?
A、いつもではなく、1日1回出るかどうか。

Q、アイドリング時のブルブル震えるとはのは、今日も出ますか?
A、今日は少しブルブルするが、チェックランプが点灯したくらいではない。

Q、アイドリング時のブルブル震えるは、エンジンの冷間時や暖気時は関係ありますか?
A、暖まった後の感じやすいと思う。

実際に確認できた症状

試走で低速時のギクシャク感は感じられませんでした。

アイドリング時のブルブルは確かに失火している様な数秒に一回小さく「ブルッ」「ブルッ」っと
振動が入る様な感じはあった。

整備工場でホンダのオデッセイを整備している整備士

チェックランプとDTCの有無の確認をしてみた

チェックランプ:なし(入庫時)

DTC:あり
DTCコード:P0301 No,1シリンダー失火

DTCとは【ダイアグノースティック トラブル コード】の略で、自動車には自己診断機能という機能が装備されています。

その自己診断機能の故障コードをDTCコードと言い車両のどこに不具合があるのかを教えてくれる
診断には欠かせない物です。

【DTCとはなにか?】【DTCの確認方法】などを詳しく解説している記事があるので合わせてご覧ください。

実際に詳しく診断した結果

診断方法
診断方法

DTCは「P0301 1番シリンダー失火」が入っていたが、診断機のデータリストでは、失火カウンターは連続して失火は入らないがパラパラと正常値以上の速さで失火は増えていた
5分のアイドリングで40回くらい。

診断機のデータリストで角速度を見ると、明らかに1番シリンダーの数値がバラついているのがわかりました。
1番シリンダーは、失火カウンターが反応しない程度には燃焼しているが、負荷がかかったり何かきっかけがあるとバラバラと失火カウンターは増えていく様でした。

カーボン詰まり率は100%

上記の事から、加速時のギクシャクやアイドリング時のブルブルは、1番シリンダーでうまく燃焼出来ていない事が原因の様です。

1番シリンダー失火の原因は?

次に何が原因で1番シリンダーが燃焼できないのかを探ります。

●プラグの点検
まず、プラグを2番シリンダーと入れ替えて症状が移るか点検します。。
⇒変化なし

●トップコイル点検
トップコイルを2番シリンダーと入れ替えて症状が移るか点検します。
⇒変化なし

まんまと当てが外れました。残るは圧縮圧力の点検のみです。
●圧縮圧力の点検

このようなコンプレッションゲージで圧縮を測定します。4気筒を測定してばらつきも見てみます。

エンジン コンプレッションゲージ
created by Rinker

⇒1番シリンダー正常、4気筒共にばらつきも正常値。


結果、プラグ、トップコイル、圧縮すべて異常なし。

この結果からわかる事は、あとは…インジェクターのみ。
このオデッセイは直噴エンジンでインジェクターの不具合は発生しやすいエンジンです。

直噴とポート噴射の説明図
インジェクターの位置が重要

右のポート噴射エンジンは、燃料を噴射するインジェクターがインテークポート内にあり燃料によって随時清掃されます。

左の直噴エンジンは、インジェクターがガソリンが燃える燃焼室にあり随時燃えカスなどが付着します。

このインジェクターの位置の違いによって、直噴エンジンのインジェクターは汚れやすく不具合が出やすいのです。

メリットもあり、ポート噴射と比べて直噴エンジンは熱効率がいいのでパワーアップや燃費向上など良い面もあるのです。


お客様に了承を得て、交換へ。

これが外したインジェクター。カーボンが詰まって燃料が出る穴にかぶさっています。
恐らく、カーボン蓄積によりうまく噴霧できず、異常燃焼を起こしているのでしょう。

インジェクター不良で失火が起きていた場合の修理箇所と修理費用

修理箇所

  • インジェクター4本交換
  • スロットルボディ清掃
  • ECUリセット&再学習
4本のインジェクター
先端が真っ黒に汚れたインジェクター

修理費用

  • 85,000円

修理完了後に車両を再点検を実施

  • スロットルボディ カーボン詰まり率0%
  • 各シリンダー角速度 安定
  • アイドリング安定
  • 低速加速ギクシャクなし(一度も症状確認出来ていない)

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