こんにちは、Honda車のよろず相談所の工場長です。
今回はN-BOXで走行中失火して息継ぎしたり、アイドリングでガクガクしてメーター内にチェックランプが点灯する故障の原因と修理方法を詳しく解説したいと思います。
記事では、N-BOXの故障事例ですが、N-NOEやN-WGN、N-VANでも同様の故障が発生するので参考にしてください。
スポンサーリンク
【N-BOX JF1】走行中に失火して息継ぎしたり、アイドリングでガクガクしてメーター内にエンジンチェックランプが点灯する症状の原因は?
走行中に失火して息継ぎをしたり、アイドリングで車両全体がガタガタ・ブルブルして、メーター内にエンジンチェックランプが点灯する原因はエンジン内部でうまく燃焼が出来ていない事が考えられます。
その原因としては、主に以下の3つの故障原因が考えられます。
- 燃料を噴射するインジェクターの故障
- スパークプラグやトップコイルなどの点火系の故障
- エキゾーストバルブの閉じ不良による圧縮不足
各故障をディーラーで修理した場合の修理費用は以下の通りです。
エンジンチェックランプが点灯したらどこをチェックしたらいい?
まず、どこの不具合でエンジンのチェックランプが点灯したかを確認する必要があります。
それには、スキャンツールという専用機器を車両に接続する必要があります。
チェックランプが点灯すると車両が故障を認識してその時にどんな故障が発生していたのかをDTC(故障コード)としてECU内に記録します。
まず、チェックランプが点灯した場合は、そのDTC(故障コード)を確認するといいでしょう。
DTCの確認方法は下記の記事で詳しく解説しています。
スポンサーリンク
失火の故障原因を特定する方法とは
失火の故障の原因を特定する方法は、失火が全気筒で発生しているのか、特定気筒だけで発生しているのかを見分ける事が大切です。
見分けるには、先ほど解説した【OBDスキャンツール】を使用して故障コードを確認しましょう。
失火が全気筒で発生している場合の故障コード
P0300:複数シリンダー失火
失火が特定気筒で発生している場合の故障コード
P0301:1番シリンダー失火
上記の様に、故障コードを確認する事で判断が行えます。
また、失火が全気筒で発生している場合はエンジンがかからず初爆もありません。
失火が全気筒で発生してる時の診断方法(エンジンがかからない)
- 燃料ポンプが作動しているかを確認
- 燃料系リレーの作動確認
- 点火系リレーの作動確認
- クランキングさせた後にプラグからガソリン臭がするかどうか
- プラグの状態を確認
- エアクリーナーが詰まっていないか
- 圧縮は正常か
失火が特定気筒で発生してる時の診断方法
- DTCなどを確認してどこの気筒が失火しているのかを確認する
- 失火してる気筒と正常な気筒のトップコイルを入れ替える
- 症状が移ればトップコイルの異常
- 症状が入れ替わらない時は、スパークプラグを入れ替える
- 症状が移ればプラグの異常
- 症状が入れ替わらない時は、トップコイルとスパークプラグを元の位置に戻す
- 各気筒の圧縮圧力を測定する
- 異常がある場合はその気筒の圧縮不足の原因を探す
- 正常な場合はインジェクターを疑う
プラグやトップコイルの脱着は専用の工具が必要だったり、間違った取り付けをするとエンジンが破損してしまうので、自身がない方はディーラーに依頼しましょう。
プラグを取り外しにこのようなプラグソケットが必要です。
診断費用は、5、000~10,000円が相場です。
部品交換を行うと診断費用がかからない場合もあります。
スポンサーリンク
エンジン警告灯の点灯、点滅は自分で修理できるのか?
インジェクター不良やエキゾーストバルブの圧縮漏れと疑われる時は、素直にディーラーに入庫させる事をお勧めします。整備工場並みの修理設備が必要なのと、ガソリンを取り扱う整備になる為、DIYでは危険すぎる作業となります。
まずは、ディーラーで本当にインジェクター不良かエキゾーストバルブの圧縮漏れかを診断してもらい修理見積をもらいましょう。
診断料の相場は診断内容によりますが、5,000~10、000円が相場です。
診断結果により修理作業を行えば、診断料が無料になるケースもあります。
トップコイルやプラグ不良が原因なら比較的修理は簡単です。
しかし、スパークプラグの取り付けを間違って取り付け穴を潰してしまったり、トルク管理を怠るとエンジン破損に直結する為、整備知識がない方はディーラーで行って頂くのがいいと思います。
プラグやトップコイル交換の相場は下記の図が一般的です。
※1本あたりの交換費用です。
失火してエンジンチェックランプが点灯して、実際にディーラーに修理に持ち込まれた故障事例
車種:N-Box
型式:DBA-JF1
走行距離:70000キロ
症状発生時の状況を詳しく教えて下さい。
幹線道路を走行中、ガクガクと息継ぎしているみたいな症状がでました。
そばのコンビニに入るとアイドリングでもブルブルしていて、メーター内にオレンジ色の見慣れないランプが点灯していました。
オレンジのランプとは、このエンジンチェックランプですか?
はい。そのマークです。
PGM-FI警告灯は点灯していたが点滅していたか
覚えていますか
点灯していました。
息継ぎやガクガク・ブルブル感は今回が初めてですか?
言われてみれば、先日アイドリング中に少しブルブルしていた時があり
オレンジのマークがパチパチと点滅していました。
今も症状は確認できますか?
確認できると思います。
いつもどこで整備していますか?
また、最近なにか整備しましたか?
オイル交換などは、ガソリンスタンドで行っています。
2ヶ月前くらいに車検もガソリンスタンドで通しています。
詳しい整備内容はわかりません。
ありがとうございます。
それでは、お車を拝見させて頂きます。
スポンサーリンク
実際に確認できた症状
エンジンを始動したら、メーター内にエンジンチェックランプが点灯している事を確認しました。
アイドリングでガクガク・ブルブルしていて、かろうじで駐車場から作業場まで移動できる状態でした。
排気ガスも生ガスのにおいがします。
チェックランプとDTCの有無の確認をしてみた
チェックランプ:エンジンチェックランプ点灯(PGM-FI警告灯)
DTC:あり
DTCコード:P0302 二番シリンダー失火
DTCとは、【Diagnostic Trouble Code】の略で、車両に不具合が起きた時にどこに不具合があるのかを知らせてくれる、ECUに記録される故障コードです。
詳しくは下記の記事で解説してます。
実際に詳しく診断した結果
DTC(故障コード)を確認すると2番シリンダーが失火している事がわかったので、更に詳しい診断を進めます。
失火している2番シリンダーと正常な1番シリンダーのトップコイルを入れ替えを実施
⇒失火が1番に移った。
症状が正常だった気筒へ移ったので、トップコイルの不具合で失火が発生していた事がわかった。
トップコイルはスパークプラグに点火させる為の高電圧を発生させる部品です。
スパークプラグは、高電圧で火花を発生させる部品です。
2番のトップコイルに不具合があると判断し、整備歴でプラグの交換歴がないので予防整備も兼ねてトップコイルとスパークプラグを3個づつ交換しました。
スポンサーリンク
トップコイル不良で失火している症状の場合の修理箇所と修理費用
修理箇所:該当シリンダーのトップコイル(今回は2番シリンダー)
修理費用:約10,000円(交換工賃込み)
点火系の故障の場合は、該当箇所だけではなくその他のシリンダーのプラグやトップコイルも併せて交換する事を強く推奨します。
理由は、同じ距離と同じ時間使用しているので同じだけ劣化しているからです。
プラグ3本、スパークプラグ3本の交換費用:約45,000円
今回と異なる原因の失火に関する記事の紹介
インジェクター不良が原因だった故障事例
エキゾーストバルブの閉じ不良による圧縮不足の故障事例
N-BOXに関連するおすすめ記事
スポンサーリンク
コメント