まず、フリード(GB5、GB7)とは、どんな車なのか?を簡単に解説します。
2代目フリードは大きく分けると4種類に分類されます。
- GB5 2WD ガソリン
- GB6 4WD ガソリン
- GB7 2WD ハイブリッド
- GB8 4WD ハイブリッド
上記の様に、駆動方式やガソリン車・ハイブリッド車によって型式が変わります。
「ちょうどいい」がキャッチフレーズで現在N-BOXと並ぶホンダの売れ筋商品です。
5人乗りや7人乗り、ハイブリッドの4WDまであり、ユーザーの使用目的を広くカバーする事により人気を得ています。
また安全運転支援システムのホンダセンシングも搭載され、高い安全性をもっています。
車両本体も初代フリードから各部が洗練され、「より快適に、より安全に、より便利」になっており、新車市場や中古市場でも根強い人気がある車種になります。
簡単に2代目フリードの紹介をしたので、本題の「フリード(GB5、GB7)ユーザー必見!故障しやすい持病5選!」に入っていきたいと思います。
※GB5、GB7とありますが、GB6、GB8にも該当します。
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ホンダ整備士がフリード(GB5、GB7)の故障しやすい持病4選を解説
持病:リコール&改善対策
2023年にリコールと改善対策が発表されました。
燃料ポンプ交換のリコールは、GB5,GB6,GB7,GB8。
BOS(ブレーキシステム)の改善対策は、GB7,GB8となります。
個々に詳しく解説していきます。
リコール事案:燃料ポンプの不良
燃料ポンプのリコールは、フリードの他にも全25車種が該当しており、約113万台の大規模なりリコールとなっております。
内容としては、製造過程の成型不良で燃料ポンプの内部が変形する可能性があり、最悪の場合は燃料ポンプが止まっていまいエンストしてしまうという事です。
リコール作業内容は、燃料ポンプを対策品と無償交換をします。
実際に、トンネル内でエンストしてしまい後続車に追突された死亡事故も発生しているため、現在乗っている方やこれから中古車を購入する方は必ずそのお車がリコール対策済みかを確認してください。
自分のフリードや、これから購入予定のフリードがリコール対象なのか?リコール作業は終わっているのか?
その見分け方は【リコール&改善対策の確認方法】でしっかりと解説します。
改善対策事案:ブレーキシステムの不良
BOS(ブレーキシステム)の改善対策はフリードの他に全13車種が該当しており、約57万台のリコールです。
改善対策の内容としては、製造工程において圧力センサーに組み付け油が侵入する場合があり、油が原因で内部が腐食し最悪の場合、ブレーキべダルの操作力が増大する恐れがあるという物です。
私も実際に、BOSが動かなくなり操作力が増大した車両を運転した事がありますが、増大するというよりはブレーキがほぼ効かなくなります。
数キロのクリープ状態からのブレーキでも、本気でブレーキペダルを踏み込まないと止まりません。
メーカーはそれでも多少なりともブレーキは効くからリコールではなく改善対策の位置づけにしているのです。お客様目線で見たら明らかにリコールだとおもうのですが…
自分のフリードや、これから購入予定のフリードが改善対策対象なのか?改善対策作業は終わっているのか?
その見分け方は【リコール&改善対策の確認方法】でしっかりと解説します。
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持病:エアコンが効かなくなる
エアコンが効かないフリードは実務でもよく見かけます。
その原因の大半がエアコンシステム内のコンデンサーという部品に不具合が発生しています。
コンデンサーの不具合でエアコン内の冷媒ガスが漏れてしまい、最終的にエアコンが動かなくなってしまいます。
ハイブリッド車両はコンデンサーの他にも、電動コンプレッサーの故障が最近増えてきました。
コンプレッサーとは、エアコンシステム内の冷媒ガスを高圧に圧縮する部品で、ガソリン車はエンジン回転でベルトを介して駆動されています。
ハイブリッド車両は、エンジンが止まってる状態が多いのでエンジン回転ではなく電動モーターで駆動されている為、電動コンプレッサーと言います。
この電動コンプレッサーが故障し、エアコンシステム内に破損した鉄粉などが回った日には、高額修理確定となってしまいます…
修理費は数万~数十万コースになります。
この持病の確認方法は【エアコンが効かなくなる持病の確認方法】でしっかり解説します。
是非、自身のフリードやこれから購入予定のフリードが当てはまるのかを確認してみてください。
持病:VTCの故障で朝一の始動時ガラガラ音がする
この持病もかなり多い見かけます。
フリードの持病というより、フリードに搭載されているエンジンの持病で、他にもベゼルやフィット、グレイスなども同じような症状が発症します。
原因は、エンジン内部のVTCという部品で、始動直後に油圧が上がりきらずに内部の部品が暴れる事で、ガラガラ音が発生します。
下の写真の赤○のヘッドカバー内部にVTCは付いています。
VTC本体のです。握りこぶしくらいのサイズです。
中身はこのような構造になってます。
始動時だけのなので、そのままでもすぐに大きな故障に繋がる訳ではありませんが、過去にはそのまま乗り続けたらVTC本体が粉々に破損してエンジンブローからのエンジン交換になった車両がありました。
VTC交換の修理費用は約85,000円です。
この持病の確認方法は【VTCの故障で朝一の始動時ガラガラ音がする持病の確認方法】でしっかり解説します。
是非、自身のフリードやこれから購入予定のフリードが当てはまるかを確認してみてください。
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持病:ブローバイガスが原因で朝一エンジン警告灯が点灯する
この持病は冷間時のエンジン始動直後に発生します。
エンジンの構造上の問題で、エンジンのインテークバルブにカーボンデポジットが異常に付着してしまい混合気がうまく吸入できず失火が発生するのが原因です。
この持病もフリードだけ発生するのではなく、搭載されているエンジンが同じ車種は発症します。
GK5フィット、GK8シャトル、RU1ベゼル、GM6グレイスが該当します。
この故障は、外見からは判断できないのでポイントを抑えた確認が必要です。
修理費は5万円前後の簡易修理から対策品の交換だと21万円程かかります。
この持病の確認方法は【ブローバイガスが原因で朝一エンジン警告灯が点灯する持病の確認方法】でしっかり解説します。
是非、自身のフリードやこれから購入予定のフリードが当てはまるかを確認してみてください。
故障しやすい持病の確認方法
リコール&改善対策の確認方法
リコールと改善対策の確認方法は下記の2ステップです。
- 自分のフリードや購入予定のフリードがリコール・改善対策なのかをHPで確認する。
- 対象の場合は、リコール作業が終わっているのかを確認する。
①自分のフリードや購入予定のフリードがリコール・改善対策なのかをHPで確認する。
↓↓燃料ポンプのリコールの確認サイト。車体番号から対象か確認出来ます。
↓↓BOS(ブレーキシステム)の改善対策の確認サイト。車体番号から対象か確認できます。
リコールや改善対策が対象のフリードを所有している方には、HONDAからダイレクトメールが発送されるので、そちらからも確認可能です。
②対象の場合は、リコール作業が終わっているのかを確認する。
対策品に交換されているかは、外観ではわかりません。
その為、リコールや改善対策の作業後には指定位置に黄色ペイントのチェックをいれたり、特定整備記録簿が発行されているのでその2カ所で判断ができます。
●燃料ポンプのリコール後の識別方法
車台番号打刻の上五桁目上部に黄色ペイントが塗布されています。
また、作業内容が記された特定整備記録簿も発行されているので、発行させていれば対策品への交換作業は完了しています。
●BOS(ブレーキシステム)の改善対策後の識別方法
車体番号打刻の下二桁目上部に黄色ペイントが塗布されています。
また、作業内容が記された特定整備記録簿も発行されているので、発行されていれば対策品への交換作業は完了しています。
黄色ペイントや特定整備記録簿がない場合は、リコール作業が未実施の可能性が高いのでお近くにホンダディーラーにお問い合わせください。
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エアコンが効かなくなる持病の確認方法
エアコンが効かなくなるフリードの持病の確認方法は、下記の2つあります。
- エアコンの性能テストを行って冷風の温度が良好かの点検
- 目視点検でコンデンサーにガス漏れ跡がないかの点検
①エアコンの性能テストを行って冷風の温度が良好かの点検
●測定条件
- 日射しなし
- ボンネットを開ける
- フロンドドア、ドアガラス全開
- エンジン回転数1500rpm
- A/C ON
- 温度調整:MAX
- 吹き出しモード:ベント
- 内外気切り替え:内気循環
- ブロアファン風量:最大
上記の条件で10分間運転させて、吸入空気温度、吐出空気温度を読みとり下の表に照らし合わせて冷風が範囲内の温度になっている事を確認する。
例えば、下の図の様に吸入空気温度30度、湿度50%の時は吐出空気温度が約14度以下なら正常と判断できる。
②コンデンサーを点検して、ガス漏れ跡がないかを点検する
コンデンサーはフロントバンパーの真裏についています。
ここに汗染みのような跡がある場合は、冷媒ガスが漏れている可能性が高いのでディーラーなど修理工場へ相談しましょう。
※点検のポイント
ライトをつかって、ななめ方向から見た方が汗染みは点検しやすい。
必要であれば、フロントバンパーを取り外しみやすい状況を作る事。
エアコンの故障は、高額修理に繋がりやすいので中古車を検討される方は特に点検したい所です。
上記の点検が満足にできなくても、冷風が出るかの確認は必ず行いましょう。
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VTCの故障で朝一の始動時ガラガラ音がする持病の確認方法
VTCの故障が原因で、始動時ガラガラ音が発生する持病の確認方法のポイントは2つあります。
- エンジンを止めてから数時間~一晩置いてからエンジンを始動した時に発生
- ガラガラ音は始動直後の1~2秒のみ発生
この2点が確認できた場合は、VTCの故障と判断できます。
過去の症例からわかる事は、発症初期は数日ぶりの始動時にガラガラ音が鳴ります。症状が進むと数日が1日となり、やがて数時間となり一番ひどい車は15分くらいエンジンを止めるとガラガラ音が毎回発生する車両もありました。
エンジン始動時だけの異音ですが、正常な作動音ではないためいつかは交換が必要です。
修理費は約85,000円と決して安い費用ではない為、中古車を購入する時は発症していないかの確認や保証があるかの確認は必要です。
実際にあった故障事例の記事があるので、ご一緒にご覧ください。
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ブローバイガスが原因で朝一エンジン警告灯が点灯する持病の確認方法
ブローバイガスが原因で朝一エンジン警告灯が点灯する持病の確認方法は、2つあります。
- エンジンを一部分解して、インレットバルブの状態を確認する
- チェックランプが点灯した場合、冷却水温が60度以下だったか。故障歴が2・3番の失火かを確認する
①エンジンを一部分解して、インレットバルブの状態を確認する
エンジンの付いているインテークマニホールドを外せば、インレットバルブの状態が確認する事ができます。
↓↓カーボンデポジットが溜まったバルブ傘上部
↓↓正常なバルブ傘上部
しかし、作業には工具や専門知識が必要なため一般ユーザーでは行えない為、希望する場合はディーラーなど整備工場にご相談ください。
②チェックランプが点灯した場合、冷却水温が60度以下だったか。故障歴が2・3番の失火かを確認する
この持病の特徴として、冷却水温が60度以上の場合は症状は出ません。
その為、もしチェックランプが点灯した場合はディーラーでチェックランプが点灯した時の冷却水温を確認する事。またチェックランプが2番または3番シリンダ失火の故障歴だった場合は、ブローバイガスによるインレットバルブの持病で間違いありません。
また、構造上の不具合なので、根本的な処置はありません。予防策もない為、発症しない事を祈りましょう。
一般的に修理はインレットバルブの交換になりその場合の修理費は約21万円です。しかし、現在はエンジンを分解せず専用の溶剤で汚れを落としたりする事もできその場合は数万円で行えます。
実際にあった故障事例の記事があるので、ご一緒にご覧ください。
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