フリードでメーターにスライドドア点検の警告灯がついてスライドドアが自動で開かなくなった故障事例の診断方法や修理費用を整備士が解説

フリードのスライドドアが自動で開閉しない 運転席パワースライドドア点検 診断方法や修理費用を現役ホンダ整備士が徹底解説 フリード
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Honda車のよろず相談所の工場長の経歴
●主な資格

  • 国家一級整備士
  • ホンダサービスエンジニア1級
  • フロントマネージャー資格
  • 自動車検査員

ホンダディーラー10年以上の知識と経験を生かして、誰にでもわかりやすく解説していきます。

こんにちは、Honda車のよろず相談所の工場長です。

今回はフリードでメーターにスライドドア点検の警告灯がついてスライドドアが自動で開かなくなった故障事例の診断方法や修理費用を詳しく解説したいと思います。

今回はフリードハイブリッドGP3の故障事例ですが、GB3のフリードでも同じ故障は発生します。

メーターにスライドドア点検の警告灯がついてスライドドアが自動で開かなくなった症状で入庫した故障事例

車種:フリード ハイブリッド
型式:DAA-GP3
走行距離:60,000km

白いGP3フリードハイブリッドの画像
GP3 フリードハイブリッド
工場長
工場長

本日はどうなさいましたか?

ユーザー
ユーザー

右側スライドドアを開けようとしたら途中で

[ピーピー]と音がして開かなくなり

メーター内にスライドドア点検の表示が出ました。

工場長
工場長

手動でもパワースライドドアは

動きませんか?

ユーザー
ユーザー

自動スイッチを切って手動だと

開け閉めは出来ました。

工場長
工場長

左右のスライドドアはどちらの

使用頻度が高いですか?

ユーザー
ユーザー

割合的にはほぼ右側しか

使ってないと思います。

工場長
工場長

承知しました。

それでは、お車を拝見させて頂きます。

ユーザー
ユーザー

お願いします。

実際に確認できた症状

下の写真が実際にメーター内に表示されていた[パワースライドドアの警告灯]になります。

これは、パワースライドドアに異常が発生すると点灯する警告灯で、点灯した状態だとオートでの開閉ができません。

R側パワースライドドア点検の警告灯
R側パワースライドドアの警告灯

この様に開けてもスライドドアが半開きの状態で[ピーピー]と警告音がなってしまいます。

右側パワースライドドアが半開きの写真

運転席ハンドル右横のスライドドアスイッチのメインをONから左にスライドしてOFFにすると手動での開閉が出来るようになりました。

スライドドアメインスイッチの写真
スライドドアのメインスイッチをOFFにするとスライドドア故障時でも手動操作が可能
パワースライドドア故障時はメインスイッチをOFFにすると手動操作可能

スライドドアの警告灯が点灯しているので、DTCを確認してみます。

DTCの有無を確認してみた

パワースライド警告灯点灯
DTC:B2088 R.元位置スイッチ回路の断線・短絡

やはりDTCが記録されていました。
一旦DTCをクリア(消去)して、自動でスライドドアを作動させてみると正常に開閉しました。

3回目くらいで入庫時と同じパワースライドドア点検の警告灯が点灯して、スライドドアが自動での開閉ができなくなりました。

R側パワースライドドア点検の警告灯
再点灯したスライドドアの警告灯

DTCってなに?と、思った方がいらっしゃると思います。
DTCとは故障時に記録される故障コードでこれを参考に診断を行う大変重要なものです。

DTCについて詳しく解説している記事があるので、ご紹介します。
●DTCとは何か?

OBDスキャンツールを使用したみた記事

使用したOBDスキャンツール

実際に詳しく診断した結果

DTC:B2088 R.元位置スイッチ回路の断線・短絡

元位置スイッチとは、スライドドアが今どの位置にあるかをECUが判断するのに使用する重要なスイッチ(センサー)です。

場所は、スライドドアの後ろ側のリヤラッチに内蔵されています。
下の写真の赤○の部分です。

リヤラッチの位置を示した画像
右スライドドアのリヤラッチ

診断方法は再現テストを実施して、DTCの再入力があるかを確認します。

元位置スイッチに異常がありそうま場合は、更に元位置スイッチの点検を行い原因を絞りこんでいきます。

現在このDTCが入力している時の推定故障部位は下記3カ所です

  1. R.スライド ドア クローザーASSY(リヤラッチ、元位置スイッチ)
  2. ユニット間の配線の断線・短絡
  3. R.パワースライド ドア コントロール ユニット

●再現テストの方法

  1. DTCをクリアする
  2. パワースライド ドア メイン スイッチをONにする
  3. 該当パワースライド ドア ウイッチでオープン/クローズ操作を3回以上繰り返しスライドドアを全開/全閉させる
  4. 該当のDCTが記録されたかを確認する

元位置スイッチの故障判定方法

スライドドアの状態により上記回路図の[B5-B6]間の導通が変化する事

スライドドア開時:導通なし
スライドドア閉時:導通あり

故障状態とDTCに従い診断を進める

再現テストを実施
⇒開閉3回目でDTC:B2088 R.元位置スイッチの断線・短絡が記録された

元位置スイッチの点検を実施
⇒スライドドア開いている時、[B5-B6]間に導通がありON故障している事がわかった。

メーターにスライドドア点検の警告灯がついてスライドドアが自動で開かなくなった場合の修理箇所と修理費用

修理箇所:R.スライド ドア クローザ ASSY(リヤラッチ)の交換

修理費用:55,000円

民間整備工場に依頼した場合

新品部品中古部品
ディーラーでの修理費用55,000円15,000~30,000円
民間整備場での修理費用55,000円10,000~30,000円
修理費用の一覧

※高度な作業の場合はディーラーしか出来ない場合があります
※保障の有無・内容が異なる場合があります

R.スライド ドア クローザ ASSY(リヤラッチ)は中古品が出回っているので、新品より中古品を使用すると半分程の費用に抑える事が可能です。
しかし、中古品は新品と比べて品質にリスクがあるのでご注意ください。

中古品の事を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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