こんにちは、Honda車のよろず相談所の工場長です。
本日は、CL7型アコードの燃料ポンプの故障でエンジンかからない故障事例の診断方法や修理費などを解説したいと思います。
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燃料ポンプが原因でエンジンかからなくなった症状でレッカー搬送された故障事例
車種:アコード
型式:ABA-CL7
走行距離:97,000km
本日はどうなさいましたか?
走行中に急にエンジンが止まってしまいました。
止まってしまってから
再始動は出来ましたか?
スターターは回りますが、
一向にかかる気配はありません。
エンジンが止まってしまう前から
なにか不具合は感じていましたか?
関係あるかわかりませんが2週間前ほどに
朝一エンジンが掛からない時がありました。
その時は、どうしたら改善しましたか?
何度かセルを回したら普通にエンジン始動して
その後は問題ありません。
メーター内に何か警告灯は
点灯していましたか?
警告灯は点灯してなかったと思います。
承知しました。
それでは、お車を拝見させて頂きます。
お願いします。
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実際に確認できた症状
車両を確認すると、確かにセルは勢い良くキュルキュルとまわるが、エンジンが一向にかかりません。初爆もない様子で、ガソリン不足か点火側に不具合が出ているのであろうと思いました。
メーター内に警告灯の点灯はありません。
その場で、診断できるのはまず燃料ポンプの動きを確認します。
正常な場合は、イグニッションONして2秒間[ウィーーン]と作動音が聞こえます。
CL7の場合はトランク奥に燃料ポンプがあるのでトランク内で作動音の確認をしましょう。
イグニッション:ON
作動音:…。
イグニッション:OFF
イグニッション:ON
作動音:……。
イグニッション:OFF
はい。燃料ポンプが動いていません。
エンジンがかからない原因は燃料ポンプが動いていない為でした。
後程、燃料ポンプが動かない原因を更に診断しようと思います。
DTCの有無を確認してみた
DTC:なし
燃料ポンプの故障やエンジンがかからない故障時などは、DTCが記録されない事が多々あります。
DTCが記録されない故障時程、問診と故障の症状確認が重要となってきます。
問診と確認した症状から故障の原因を推測して、その良否点検を進めるという流れになります。
DTCとは何か?と思われる方も沢山いらっしゃると思います。
詳しく解説している記事があるので、あわせてご覧ください♪
●DTCとは
DTCに付いて以下の記事で詳しく解説しています。
●DTCとは何か?
●OBDスキャンツールを使用したみた記事
●使用したOBDスキャンツール
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実際に詳しく診断した結果
先ほど燃料ポンプが動かない事を確認した為、燃料ポンプが動かなくなる原因を探していきます。
燃料ポンプに12Vの作動電圧があるかを確認します。
燃料ポンプの電源端子:0V
はい。電源が来ていませんね。
次に点検しやすい所から見ていきます。
燃料ポンプ回路にはヒューズがあるのでヒューズを点検します。
ヒューズはボックスは運転席右側にあり、カバーを外すと確認がきます。
カバーを外すと沢山のヒューズが見えます。
この中からが燃料ポンプに関係するヒューズを探していきます。
このNo.19 15Aが燃料ポンプ(フューエルポンプ)の電源のヒューズです。
先ほど外したカバーの裏にどこが何番ヒューズなのかという表があります。
この表のNo.19 15Aのヒューズを確認します。
ヒューズボックスだとこのヒューズです。
ラジオペンチなどで引っこ抜いてヒューズを確認します。
予想通りヒューズが切れてました。この切れ方だと、許容オーバーの電流が流れた感じです。
実はCLアコードあるあるの故障で、燃料ポンプが経年劣化による故障で内部でレアショートします。
それが原因で一瞬でも15A以上の電流が流れて安全装置のヒューズが切れてしまうのです。
今回は新しいヒューズに交換するとエンジンはかかり、ヒューズも切れませんがいずれ再発します。
いわば根本的な修理をしないと時限爆弾的な故障になってしまいます。
燃料ポンプとは上記の様な、サクションフィルター、プレッシャレギュレータ、センダユニットなどで構成されています。
これを分解する下の図のようになり、赤い丸の部品が原因の燃料ポンプ(フューエルポンプ)です。
アコードは過去に燃料ポンプのリコールが発表されているので、自身のお車が対象なのか、リコール作業実施済なのか確認をお勧めします。
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CL7アコードで燃料ポンプの故障でエンジンかからない場合の修理箇所と修理費用
修理箇所(交換部品)
- 燃料ポンプモーター
- 燃料ポンプの関連部品
- リレー
- ヒューズ
※注意1)CL7の部品は生産終了なっている物が多く、その時交換できる部品がすべて交換する事をお勧めします。
今回もハウジングなど一部部品は生産終了だったので、お客様の要望により燃料ポンプ周りで新品にできる部品は全て新品で交換しています。
※注意2)リレーとは、燃料ポンプ回路のリレーで物理接点なので、故障の原因となる為これを機に交換しました。
修理費用:約100,000円
●民間整備工場に依頼した場合
推奨部品の交換 | 最低限での修理 | |
ディーラーでの修理費用 | 100,000円 | 50,000円 |
民間整備場での修理費用 | 90,000~100,000円 | 45,000~50,000円 |
※高度な作業の場合はディーラーしか出来ない場合があります
※保障の有無・内容が異なる場合があります
●絶対にオススメしない修理方法
この様な中華モーターやノーブランドモーターの使用は絶対にオススメしません。
純正部品でも40,000円前後する部品が10,000円程で同等の品質な訳がありません。
燃料ポンプの故障は重大事故に直結するので、純正品の使用を強くオススメします。
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