GK型フィット、GP型フィットとは、2013年9月~2020年1月まで販売されていたFITです。
GKとGPはガソリンとハイブリッドで型式がかわり、その他に2WDと4WDでも細かく分かれます。
ハイブリッド車はモーター単体走行が出来なかったIMAハイブリッドから更に進化し、モーター単体走行ができるまでレベルが上がりました。
マイナーチェンジ後のモデルは安全運転支援システムのホンダセンシングも搭載され高い安全性が追加されています。
現在は新型FIT(GR型)が発売されていますが、街中や中古車市場でもまだまだ現役なGK・GP型です。
そんなフィットの故障しやすい持病4個をご紹介しますので、ユーザーさんもGK・GP型フィットを検討中の方も是非、ご覧ください。
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現役ホンダ整備士がフィット(GK・GP型)の故障しやすい持病4選を解説
1.持病 リコール&改善対策案件
GK・GPフィットには、2023年12月にリコールと改善対策が2つ発表されました。
[リコール・改善の対象早見表]
どちらも不具合が発生すると重大事故に直結する案件なので、早急に改善処置を行ってください。
また、中古車を検討されている方は、購入予定の車両がリコールや改善対策が処置済みかの確認も必ず必要です。
持病:燃料ポンプに不具合がある ※リコール案件
2023年にGK・GPフィットを含む24車種、対象台数113万台の燃料ポンプのリコールが発表されました。
このリコールは、[GK3][GK4][GK5][GK6][GP5][GP6]のすべてが対象です。
概要は、下の画像の様に、燃料ポンプ内のインペラが形成条件が不適切な為、変形してしまいポンプが動かなくなり最悪の場合エンストする可能性があるのです。
このリコールが発表される前に実際に何台も燃料ポンプが止まってしまった車両があり、リコールになるのではないかという噂はありました。
リコールの処置は、対策品の燃料ポンプへの交換となります。
実際に、トンネル内でエンストし後続車に追突された死亡事故も発生しているので、現在乗っている方やこれから中古車を購入する方は必ずそのお車がリコール対策済みかを確認してください。
自分のGK・GPフィットやこれから購入予定のフィットがこのリコール対象なのか?リコール作業は終わっているのか?
その見分けたは[リコール&改善対策が実施済みかの確認方法]でしっかりと解説していきます。
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持病:BOS(ブレーキ系統)に不具合がある ※改善対策案件
2023年にGK・GPフィットを含む13車種、対象台数58万台の大きな改善対策が発表されました。
概要は、ブレーキの油圧を発生させるBOS(ブレーキオペレーティングシミュレーター)において、内部に腐食が発生し最悪の場合、警告灯が点灯してブレーキペダルの操作力が増大する恐れがあるという案件です。
改善対策の処置は、対策品のBOSへの交換となります。
私も実際に症状が発生し、ブレーキペダルの操作力が増大した車両に乗ったことがありますが、クリープで動いている状態から全力でブレーキペダルを踏んでもなかなか止まらないくらいになり、これが一般道で発生したらと思うと、ゾッとします…
自分のステップワゴンや、これから購入予定のステップワゴンがこの改善対策の対象なのか?改善対策作業は終わっているのか?
その見分け方は【リコール&改善対策が実施済みかの確認方法】でしっかりと解説していきます。
2.持病 DCTミッションの持病 ※ハイブリッド車
ハイブリッドの[GP5][GP6]に搭載されている当時新開発された7速DCTミッションですが、当時から色々な問題がありました。
この2つは特に多く、クレームに近いご意見が多々ありました。
- 発進、変速時にギクシャクする
- 長時間の渋滞や坂道走行が続くとミッションが高温になり走行出来なくなる。
実際に現場でも、発売から数年は定期点検の度に、上記のようなご意見を頂き対応に困った事を思い出します。
DCTの詳しい構造はHONDAのHP上で解説されていますので、興味がある方はご覧ください。
また、この7速DCTミッションは修理費用が高額です。
私が経験した過去の修理例
- ミッション内部のデュアルクラッチ交換:30~40万円
- ミッション本体交換:60~70万
以前は、不具合が発生するとメーカー保証で交換できる時期もありました。
特に中古車を検討されている場合は、注意が必要です。
今乗っているフィットやこれから購入するフィットのミッションに異常がないかを心配だと思います。
確認方法などを[DCTミッションの持病の確認方法]でしっかりと解説していきます。
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3.持病 VTCの故障により始動時[ガラガラ音]がする持病 ※ガソリン
※この持病は同じ型式のエンジンを使用している、ベゼルやフリード、グレイスも同様に発症します。
始動時[ガラガラ音]がする原因は、エンジン内部のVTCと言う部品です。始動直後に油圧が上がりきらずに内部の部品が暴れる事でガラガラ音が発生します。
始動直後の1~2秒だけガラガラ音が車両前方エンジンルームから発生するのが特徴です。
持病のガラガラ音が発生した場合、修理費は約85,000円です。
今お乗りのフィットや、購入予定のフィットが症状が出ているかの確認方法を[VTCの故障により始動時[ガラガラ音]がする持病の確認方法]でしっかり、解説していきます。
4.持病 ホンダセンシングのカメラの持病
※この持病は、2017年のマイナーチェンジ後のフィットに見られる持病です。
ホンダセンシングのカメラはフロントガラス上部に装着されています。
カメラはこのような部品です。↓↓
そして、このカメラがよく故障します。
故障した場合の交換費用:約7,770円
故障するとホンダセンシングの全機能が使えなくなり、メーター内にチェックランプが沢山点灯します。
この部品が壊れても、正直ホンダセンシングが使えなくなるだけなので走る・止まる・曲がるに影響はありません。しかし、チェックランプが点灯している状態では車検が通らなくなってしまいます。
今乗っているフィットやこれから購入するフィットのフロントカメラに異常がないかを心配だと思います。
確認方法などを[ホンダセンシングカメラの持病の確認方法]でしっかりと解説していきます。
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故障しやすい持病の確認方法
リコール&改善対策が実施済みかの確認方法
リコール・改善対策の確認方法は下記の2ステップです。
- 自分のフィットや購入予定のフィットがリコール&改善対策の対象かのか確認する
- リコール・改善対策が対象の場合、改善処置が終わっているのかを確認する
①自分のフィットや購入予定のフィットがリコール&改善対策の対象かのか確認する
〇燃料ポンプ不具合のリコールの確認サイト。車体番号から対象か確認出来ます。↓↓
〇BOS(ブレーキ系統)不具合のリコールの確認サイト。車体番号から対象か確認出来ます。↓↓
現在、フィットを所有している方でリコールや改善対策が対象の場合はDMが送られるので、そちらから確認も可能です。
②リコール・改善対策が対象の場合、改善処置が終わっているのかを確認する
基本的に外観では処置作業が終わっているのかの判断はこの3つの案件では確認できません。
その為、ディーラーでは処置済なのかを識別する為に、処置が終わっている車両には指定場所に黄色ペイントを塗布します。
各リコール・改善対策により指定位置は異なりますが、その指定位置に黄色ペイントが塗布されているかで[未処置]か[処置済]かの判断が行えます。
また、処置作業時に作業内容は記載されている[分解整備記録簿]か[特定整備記録簿]が発行されているので、そちらでも確認が可能です。
※2020.4.1より分解整備が特定整備に名称や内容が変更されているため、処置時期により発送される記録簿が異なる場合があります。
燃料ポンプ不具合のリコールの黄色ペイント塗布位置
車台番号とは、車体に打刻してある車体番号の事です。
このリコールの識別の位置は、車台番号打刻の上五桁目上部で処置完了後に黄色ペイントが塗布されます。
BOS(ブレーキ系統)不具合の改善対策の黄色ペイント塗布位置
この改善対策の識別の位置は、車台番号打刻の下四桁目上部で処置完了後に黄色ペイントが塗布されます。
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DCTミッションの持病の確認方法
- 発進、変速時にギクシャクする
- 長時間の渋滞や坂道走行が続くとミッションが高温になり走行出来なくなる。
1、発進、変速時にギクシャクする持病の確認方法
車を試乗して実際にミッションのフィーリングを確かめる事です。
DCT特有のフィーリングがある為、車に詳しい方と一緒に試乗するのも方法です。
また、多少のギクシャク感は、ミッションオイルの交換やミッションの再学習でも改善するので、気になる方は行った方でいいでしょう。
特に5万キロ以上走行している車両に、ミッションの再学習はかなり有効です。
2、長時間の渋滞や坂道走行が続くとミッションが高温になり走行出来なくなる持病の確認方法
この高温になり走行出来なるなる事自体は、車両のフェールセーフによるものなので正常な作動です。
しかし、この高温になる回数が多い車両はミッションオイルや、クラッチの作動油が漏れ出してくるのです。その為、下回りのオイル漏れ確認は必ず行ってください。
ミッション高温を繰り返す→各部品の隙間やOリングパッキンから油漏れ→オイルが足りない状態で走行しミッションが壊れる
上記の様にミッションにダメージが蓄積されます。
DCTのミッション修理は非常に高額なため、中古車を検討される方は保障付の車がいいと言えるでしょう。
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VTCの故障により始動時[ガラガラ音]がする持病の確認方法
VTCの故障により始動時[ガラガラ音]がする持病の確認方法のポイントは2つあります。
- エンジンを止めてから数時間~一晩置いてからエンジンを始動した時に発生する
- ガラガラ音は始動直後の1~2秒のみ発生する
この2つが揃った時に、VTCの故障と判断できます。
実際にディーラーであった、VTCの故障事例があるので、併せてご覧ください。
過去の症例からわかる事は、発症初期は数日ぶりの始動時にガラガラ音が鳴ります。症状が進むと数日が1日となり、やがて数時間となり一番ひどい車は15分くらいエンジンを止めるとガラガラ音が毎回発生する車両もありました。
エンジン始動時だけの異常音ですが、正常な作動音ではないため早めの交換が必要です。
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ホンダセンシングカメラの持病の確認方法
ホンダセンシングのカメラの持病の確認方法は、メーター内にチェックランプが点灯していないかを確認してください。
ホンダセンシング系統の警告灯が点灯するとメーター右側のMID(マルチインフォメーションディスプレイ)にホンダセンシングのシステムに異常が発生している表示灯も点灯します。
チェックランプが点灯している場合、専用の診断機でDTC(故障コード)を確認する事でどこが壊れているのかを確認できます。
↓↓DTCとは何か?DTCの確認方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
もしチェックランプが点灯して、その故障コードが[U3000-49]だった場合は、即カメラ交換が必要です。
実際にカメラ交換になった故障事例があるので、併せてご覧ください。
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