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N-BOXで後ろの窓ガラスが開閉出来なくなる症状の原因は?
この症状の主な原因として考えられるのは以下の4つが挙げられます。
- パワーウィンドスイッチの故障
- レギュレーターの故障
- ガラス固定部の破損
- ガラスとランチャンネルの張り付き
この4つの故障の診断方法は後程、詳しく解説していきます。
どの故障も窓ガラスが開閉出来なくなる症状に関連します。
窓ガラスが開かないのか閉まらないのか、それとも開閉どちらもしないのかで診断する所が変わってきます。車両の症状を確認して的確な診断を行いましょう。
同じような故障は、フロントガラスでも発生しますがN-BOXのJF1、JF3系では特にリヤガラスで開閉できなくなる故障が多発していますのでご注意ください。
ディーラーに持ち込んだ場合の修理費用の相場は以下の通りです。
症状を確認して推定故障個所を特定する
スイッチ操作で窓ガラスが無反応な場合
スイッチ操作で窓ガラスが無反応な場合は、運転席や各窓のスイッチ操作時に開閉できない該当窓から少しでも「ック」や「コトッ」など音がするかを確認します。
【音がある場合】
モーターがスイッチ操作に反応しているので、電源→スイッチ→モーターの回路は成立している事がわかります。
この場合の推定故障個所は以下の通りです。
- ガラスとランチャンネルの張り付き
- レギュレーターの故障
上記の順番で診断を行い故障個所を特定します。
【音がない場合】
この場合は、【電源】→【スイッチ】→【モーター】の回路のどこかで断線などの故障が発生している可能性が高いです。
この場合の推定故障個所は以下の通りです。
- パワーウィンドウスイッチの故障
- レギュレーターの故障
上記の順番で診断を行い故障個所を特定します。
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スイッチ操作で窓ガラスが上下するがスムーズに動かない場合
スイッチ操作で少しでも窓ガラスが上下する場合は、【電源】→【スイッチ】→【モーター】の回路は成立している事がわかります。
AOTO操作でも途中で止まったり、UPを押してる時でも止まってしまう場合などの推定故障個所は以下の通りです。
- パワーウィンドウスイッチの故障
- レギュレーターの故障
- ガラスとランチャンネルの張り付き
上記の順番で診断を行い故障個所を特定します。
主な4つの原因の診断方法とは?
パワーウィンドウスイッチ故障時の診断方法
パワーウィンドウスイッチの診断方法は、単体状態にして【UP】【DOWN】【OFF】操作時に各端子間で導通があるかをデジタルサーキットで点検を行います。
最近は数千円のデジタルサーキットテスターも品質がよくなって十分に診断にも使える様になってきました。私も仕事以外の趣味の範囲ではこのテスターレベルを使っています。
※方形波や三角波の測定には使えません。
窓ガラスが開閉しない該当箇所の内張を剥がしてスイッチを単品状態にします。
内張は下の写真の様にクリップで付いているので手前に引いて外します。
下の写真の通りに導通点検を行います。○ー○間のみ導通がある事を確認しましょう。
もし一カ所でも導通がない場合はパワーウィンドウスイッチが故障しています。
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レギュレーター故障時の診断方法
レギュレーターの診断方法は、窓ガラスを上下させるモーターがスムーズに動くかを点検します。
【パワーウィンドウスイッチ】→【配線】→【モーター】の順で電気が流れる為、パワーウィンドウスイッチのカプラーから電気を流してモーターが動くかを点検します。モーターが動かない場合は配線をはずしてモーターに直接電気を流して動くかを点検します。
※点検をする前に導通点検でパワーウィンドモーター回路が短絡していない事を確認しましょう。
カプラ(A)の端子間にバッテリー電圧を与えた時に、リヤパワーウィンドモーターが異常なくスムーズに回転する事を確認します。
以下の表に従い、12Vを端子に入れて点検を行います。
パワーウィンドモーターがスムーズに動く場合は正常。スムーズに動かない場合は次の診断方法へ。
上記の診断方法でモーターが動かない場合は、モーター本体に直接電気を流して動くかを点検します。
下の図を基に、モーターカプラに12V電源を入れて作動確認を行います。
上記の方法でモーターがスムーズ動かない場合は、レギュレーター本体の故障です。
スムーズに動く場合は、【パワーウィンドスイッチ】と【レギュレーターモーター間の配線の断線です。
ガラス固定部破損時の診断方法
ガラスの固定部とは、窓ガラスを上下させるレギュレーターとガラスを固定している部分をさします。
下の図で赤○の所がボルトで止まっています。
ガラスに接着剤で固定ステーが止まっているのですが、それが剝がれてしまう事で窓ガラスの開閉が出来なくなってしまいます。
この状態の場合は、窓がグラグラになっているはずなので、ガラスをつまんで上下に揺すってください。グラグラの場合は固定部の破損なので、ガラス交換が必要になります。
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ガラスとランチャンネル張り付き時の診断方法
まず、ランチャンネルとは赤くなっている部分のゴム素材のモールの事を指します。
Uの字形状をしていてガラスを支えるレールの役割をします。
常に窓ガラスとランチャンネルはくっついている状態なので、汚れが詰まったり、開閉作動を長期間しなかった場合に張り付いてしまう事があるのです。その時は、張り付きを取ってあげればまたスムーズに上下します。
※二人での作業が好ましいです。
一人が内側と外側から窓を挟んで開く方向に押し付けます。その状態でもう一人がパワーウィンドスイッチを開ける操作を行います。
この手法で軽度~軽度な張り付きは解消できます。
※長時間を開閉操作はモーター焼き付きの原因になるので行わないでください。
頑固な張り付きの場合は、ガラスとランチャンネルの間にシリコンスプレーなどを塗布してあげるのいいでしょう。
N-BOXで後ろの窓ガラスが開閉出来なくなる症状で実際にディーラーで修理した故障事例を紹介
車種:N-BOX
型式:DBA-JF3
走行距離:20000キロ
症状発生時の状況を詳しく教えて下さい。
右後ろの窓ガラスが閉まらなくなってしまいました。
スイッチ操作でも全く動かない状態ですか?
上にあげようとするとガコガコいって
変な音はします。
なにか前兆のような事はありましたか?
あまり右後ろの窓は開けないのですが、
今朝久しぶりに開けようとしたら全く反応がありませんでした。
その状態で、しばらく下向きにスイッチを操作していたら突然【ガコン】と
大きな音がしてあげようとしてもガコガコいう様になってしまいました。
承知しました。
お車を拝見させて頂きます。
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実際に確認できた症状
パワーウィンドスイッチを操作すると確かにガコガコとドアの内側で何かが暴れている様な状態でした。
窓ガラスをつまむとストレスなくスムーズに上下するので、窓ガラスの固定部が破損してレギュレーターから外れてしまっているのが想定されます。
その他の窓ガラスはどこも正常に開閉作動ができました。
チャックランプとDTCの有無を確認してみた
チェックランプ:なし
DTC:なし
DTCとは、【Diagnostic Trouble Code】の略で、車両に不具合が起きた時にどこに不具合があるのかを知らせてくれる、ECUに記録される故障コードです。
詳しくは下記の記事で解説してます。
さらに詳しく診断した結果
右スライドドアの内張を開けて、レギュレーターや窓ガラスの状態を確認します。
窓ガラスを外すとやはりレギュレーターとの固定部がガラスから剥がれていました。
今回はレギュレーターは破損等はありませんでした。
後ろの窓ガラスが開閉出来なくなる症状の場合の修理箇所と修理費用
修理箇所:右後ろの窓ガラス1枚
修理費用:約60,000円
過去にはレギュレーターの滑車部やガラス固定部が破損していて、窓ガラスとレギュレーター交換になった事例も数件ありました。
その場合の修理費は80,000円~100,000程になります。
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予防策
パワーウィンドスイッチやレギュレーターの故障には予防策はありません。
しかし、ほどんどの場合は窓ガラスとランチャンネルが張り付き想定外の負荷が窓ガラスやレギュレーターにかかり故障へと繋がります。
よって、窓ガラスとランチャンネルの張り付きを予防する事により、周辺部品が壊れにくくなるのです。
窓ガラスとランチャンネルの張り付きは、適度に開閉してたり汚れを取って潤滑剤を塗布してあげる事で張り付きにくくすることはできます。
潤滑材はこの様なシリコンスプレーがお勧めです。
割りばしやマイナスドライバーに布をかぶせて窓ガラスがはまってる隙間の汚れを掻き出します。
その後に、シリコンスプレーを塗布してあげるとスムーズに開閉しやすくなります。
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コメント
NBOX、3年目と4年目に、それぞれ左と右の後部窓が上下しなくなりました。
原因は、いずれも、窓ガラス下部を固定している接着部が剥がれているとのこと。
初期不良だと思います。