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こんにちは、Honda車のよろず相談所の工場長です。
今回はインサイトの故障しやすい持病について解説していきます。
インサイトとは、ZE1→ZE2→ZE4と現在は3代目インサイトまである人気のある車種です
ZE1型はホンダ初のハイブリッドでNSXと同じアルミモノコックで空気抵抗値は0.25、2シーターというほぼスーパーカーの様なハイブリッド車です。
ZE2型からは大衆車としてモデルチェンジが行われ、IMAシステムハイブリッドの5ナンバーの4ドアとして今でも中古市場で人気があります。
最新のZE4型は高級セダンの様な立ち振る舞いにスポーツハイブリッドi-MMDを搭載した上級ハイブリッド車となっています。
ガソリン・HV | 排気量 | 駆動方式 | 燃費 | 参考価格 | |
ZE1 | ハイブリッド | 995cc | FF | 35.0km/L | 2,100,000円~ |
ZE2 | ハイブリッド | 1339cc | FF | 27.2km/L | 1,890,000円~ |
ZE3 | ハイブリッド | 1496cc | FF | 28.4km/L | 3,261,600円~ |
そんな人気の高いインサイトですが残念ながら、故障しやすい持病があり注意が必要です。
そんなインサイトの故障しやすい持病とはなにか?そして確認方法と修理費用は?
こんな疑問をホンダ整備士の工場長が徹底的に解説していこうと思います♪
インサイトの故障しやすい持病5選
1.持病:HVユニットの冷却ファンモーターの故障
1つ目の持病は、HVユニットの冷却ファンモーターの故障です。
正確には、IPU冷却ファンモーターといい車内のハイブリッドシステムを冷やす為の冷却ファンモーターを指します。
長期間の使用でモーター内部が破損してしまい回転しなくなります。そうなるとECUはファンモーターが回転しない事を検知して運転者に異常を知らせる為メーター内の警告灯を点灯させます。
ファンモーターが故障すると、それに伴い同じ回路上にあるDC-DCコンバーターも動かなくなり、12Vバッテリーへの充電が止まる為、注意が必要です。
この持病の確認方法と修理費用は[HVユニットの冷却ファンモーターの故障の確認方法と修理費用]にて詳しく解説していきますので必ずご確認ください。
2.持病:ドアミラーが格納しなくなる故障
2つ目の持病は、ドアミラーが格納しなくなる持病です。
どの車でも起こりうる故障ですが、インサイト(ZE2)は比較的ドアミラーの故障が多い車種です。
ドアミラーの格納が出来ないと、狭い場所の駐車時に格納できなかったり、意外と不便な事が多いです。
修理費も意外と高額になりやすいので、特に中古車をご検討の方は注意が必要です。
この持病の確認方法と修理費用は[ドアミラーが格納しなくなる故障の確認方法と修理費用]にて詳しく解説していきますので必ずご確認ください。
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3.持病:VSAモジュレーターが内部故障する
3つ目は、VSAモジュレーターが内部故障する持病です。
この持病はZE2のインサイトやZF1のCR-Zでよく見られます。
年式的には10年を超えてきて、走行距離関係なく発生する故障です。
VSAとはABSやTCSなど急激な車両の挙動を制御するシステムで、そのうちのVSAモジュレーターにはブレーキ液を加圧するモーターが内蔵されており、そのモーターが故障してしまうのです。
VSAモジュレーター本体の交換は高額な為、故障発生を機に乗り換えるユーザーさんも多数いらっしゃいます。
この持病は、現在のユーザーさんもインサイトの中古車を検討中の方も必ず注意したい持病です。
この持病の確認方法と修理費用は[ドアミラーが格納しなくなる故障の確認方法と修理費用]にて詳しく解説していきますので必ずご確認ください。
4.持病:エンジンオイルが消費する
4つ目の持病は、エンジンオイルが消費するという故障です。
エンジンオイルはエンジン内部の保護など大変重要なオイルです。
詳しくはエンジンオイルについて解説した記事をご覧ください。
ZE2型のインサイトが対象で、こちらはホンダからも故障に対しての延長保証まで発表されている持病です。
放っておくとエンジンが破損して走行不能や何十万円もの高額修理となるので、現在のユーザーさんもインサイトの中古車を検討中の方も必ず注意したい持病です。
この持病の確認方法と修理費用は[エンジンオイルが消費する故障の確認方法と修理費用]にて詳しく解説していきますので必ずご確認ください。
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5.ハイブリッドバッテリーの劣化
ハイブリッドバッテリーの劣化は、ハイブリッド車には決して避けられない課題です。
※このハイブリッドバッテリーとは、ハイブリッドシステムの高電圧バッテリーの事を指します。
頻発する故障ではありませんが、こんなリスクがあるというのは知っておいてください。
各車のハイブリッドバッテリーの交換費用についての参考記事があるので、合わせてご覧ください。
ハイブリッドバッテリーの確認方法と修理金額は、[ハイブリッドバッテリーの劣化の確認方法と修理金額]こちらで詳しく解説しています。
故障しやすい持病の確認方法と修理費用
1.HVユニットの冷却ファンモーターの故障の確認方法と修理費用
確認方法
HVユニットの冷却ファンモーターの故障の確認方法は3つあります。
- メーター内にチェックランプが点灯していない事を確認する。
- ECUに記録されている故障歴を確認する。
- 冷却ファンモーターを動かしてチェックランプが点灯しない事を確認する。
●メーター内にチェックランプが点灯していない事を確認する。
HVユニットの冷却ファンモーターが故障してECUが故障を認識するとメーター内のチェックランプが点灯します。
主に点灯する警告灯は、[PGM-FI 警告灯][IMAシステム警告灯][充電警告灯]の3つになります。
これからメーター内で点灯している時は、冷却ファンモーターが故障している可能性が非常に高いです。
●ECUに記録されている故障歴を確認する。
過去に故障が発生している場合は、過去歴としてECUにDTCという故障歴が残ります。
故障初期の場合は、一時的に故障が発生していたけど今は正常に戻ったなど、一過性の故障が記録される事があります。
冷却ファンモーターが故障している場合は、[P1634 インバーター回路異常]というDTCが記録されます。
DTCを確認する方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
●冷却ファンモーターを動かしてチェックランプが点灯しない事を確認する。
冷却ファンモーターを強制的に動かして作動点検を行う事ができます。
エンジンを2~3000回転で維持すると高電圧バッテリーに充電が始まり、それに伴い冷却ファンモーターも正常であれば回ります。
故障時は、冷却ファンモーターが回り始めると[P1634]のDTCが記録されるか運転的足元のヒューズボックス内No.53のヒューズが切れる症状が発生します。
No.53のヒューズは、冷却ファンモーターの電源側回路のヒューズなので、冷却ファンモーターが内部ショートしてる場合は回路保護の為ヒューズが切れるのです。
現場では、メーター内のチェックランプとNo.53のヒューズを見て、簡易的に診断したりもします。
修理費用
IPU冷却ファンモーターの交換費用:30,000円
冷却ファンモーターはリビルト品や中古品は基本的にない為、新品部品での交換となります。
※高度な診断やハイブリッドシステムなど高度な修理はディーラーしか行いない場合もあります。
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2.ドアミラーが格納しなくなる故障の確認方法と修理費用
診断方法
ドアミラーが格納しなくなる故障の診断方法は、超簡単です。
- 異音なくスムーズに開閉するかを確認する。
- ミラー本体にぐらつき、破損がないかを確認する。
この2つを点検して異常があれば、修理作業となります。
ドアミラーに関しては調整機構はない為、基本的には本体丸ごと交換のASSY交換か格納モーターの交換になる事がほとんどです。
たまに格納しないや、途中で止まる、モーターが空回りしている音がするなどは、内部故障の可能性が大半の為、早めに修理を行ってください。
修理費用
丸ごとASSY交換 | 30,000~40,000円 |
格納モーター交換 | 23,000円 |
カバー交換 | 6,000円 |
実際の各修理の割合は、ASSY交換15%、格納モーター交換80%、その他カバー交換など5%くらいです。
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3.VSAモジュレーターが内部故障する確認方法と修理費用
確認方法
VSAモジュレーターの内部故障の確認方法は、ECUに記録されたDTC(故障コード)を確認する必要があります。
ほとんどの方が持っていないと思うので、その場合はディーラーなど整備工場に依頼しましょう。
その場合は、点検費用として[0~5,000円]程費用が掛かる場合があります。
DTCで[51 モーターロック]や[52 モーターON/OFF固着]が過去歴として記録されていた場合は要注意です。
この2つはVSAモジュレーターの代表的な故障コードでこの故障が継続的に発生した場合は高額修理決定です…
修理費用
VSAモジュレーター交換(新品) | 160,000円 |
VSAモジュレーター交換(中古) | 40,000~50,000円 |
新品・中古・リビルト部品には一長一短があります。
詳しく解説している記事があるので、参考にしてみてください。
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4.エンジンオイルが消費する故障の確認方法と修理費用
確認方法
この故障に関しては、メーカーも持病だと認めており延長保証が発表されています。
●保証期間
・基本の保証期間
新車を登録した日から5年間
ただしその期間内でも走行距離が10万kmまで
・変更後の保証期間
新車を登録した日から9年間
※走行距離無制限
●作業内容
専用のピントンリングクリーナーでエンジン内を洗浄します。洗浄後、再度事象が発生した場合はピントンとピストンリングを交換します。
ここでのエンジン内での洗浄とは専用のクリーナーでフラッシングの事をさすみたいです。
●エンジンオイル消費の判断基準
5000km走行に対して1.0L以上エンジンオイルが消費していると修理が必要です。
あくまでも目安なので、0.8Lでも消費してる事には代わりありません。
※構造上、正常な車両でも少しづつオイルは消費します。
RKステップワゴンのオイル消費でも同じ5,000km走行に対して1.0L以上のオイル消費が基準です。
修理費用
エンジン内部洗浄(保証期間内) | 0円 |
エンジン内部洗浄(保証期間外) | 40,000円前後 |
ピストン及びピストンリング交換(保証期間内) | 0円 |
ピストン及びピストンリング交換(保証期間外) | 200,000円前後 |
保証期間内は無料対応ですが、保障期間外は全て有償作業となり金額も高額になります。
ZE2型の最終型でも2014年なので、現在保証期間内の車両はない為、全数有償作業となります。
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5.ハイブリッドバッテリーの劣化の確認方法と修理費用
確認方法
ハイブリッドバッテリー劣化の確認方法は、ハイブリッドバッテリーの故障コードが記録されていないかを確認してください。
下記の様な診断機を使用して、過去~現在どのような故障が発生していたかを確認する事ができます。
もしバッテリーが異常な程劣化した場合は、高電圧バッテリー(ハイブリッドバッテリー)劣化というDTC(故障コード)が車両に記録されます。
今の診断機では、ハイブリッドバッテリーの健全性は確認出来ない為、ハイブリッドバッテリーが正常か異常を検知しているかの確認しかできません。
また、ハイブリッドバッテリーは[10年以上~&10万キロ以上~]使用するとバッテリーの持ちが悪くなります。
工場長の経験的には12~13年目でバッテリー劣化の故障が多くなる感じがあります。
携帯のバッテリーも2~3年経つと持ちが悪くなるのと一緒でハイブリッドバッテリーも同じなのです。
●ハイブリッドバッテリーの寿命や交換のタイミングなど詳しく解説した記事があるので是非ご覧ください。
修理金額
GM4 | GM5 | |
ディーラーでの 修理費用 | 400,000円前後 | 410,000円前後 |
民間整備場での 修理費用 | 対応不可~ 400,000円前後 | 対応不可~ 410,000円前後 |
※高度な診断やハイブリッドシステムなど高度な修理はディーラーしか行いない場合もあります。
※ディーラーと民間整備場での保障は異なる為、ご注意ください。
交換工賃は比較的安価なのですが、ハイブリッドバッテリー本体の値段が高額の為40万前後の高額修理となってしまいます。
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