【ストリームRN6】エアコンの故障で冷風が出なくなる原因と3つの故障事例をホンダ整備士が紹介します!

ストリーム
RN6ストリーム エアコン故障で冷風がでない 原因と3つの故障事例を紹介 コンプレッサーリレーの故障 マグネットクラッチの故障 ファンモーターの故障
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Honda車のよろず相談所の工場長の経歴
●主な資格

  • 国家一級整備士
  • ホンダサービスエンジニア1級
  • フロントマネージャー資格
  • 自動車検査員

ホンダディーラー10年以上の知識と経験を生かして、誰にでもわかりやすく解説していきます。

ストリームRN6のエアコンの故障で冷風が出なくなる故障の原因は?

エアコンの冷風が出なくなる故障の原因で考えられる大半はこの6個です。

  • 冷媒ガスの漏れ
  • コンプレッサーの冷媒ガスの圧縮不良
  • コンプレッサーリレーの故障
  • コンプレッサーマグネットクラッチの故障
  • 冷媒システム内部の異常
  • ラジエターファン、コンデンサーファンの故障

エアコン関連のどこかが不調になるとシステム自体が動かなくなり、冷風が出なくなってしまいます。

真夏の渋滞を想像してみてください。
そんな時、エアコンが使えなくなったら…

炎天下でエアコンが故障した車に乗っている男性
エアコンが壊れた夏は地獄ですよ…

どこをチェックしたらいいか?

ストリームのエンジンルーム
ストリームのエンジンルーム
  • 冷媒ガスの漏れ【専用機材が必要
  • コンプレッサーの冷媒ガスの圧縮不良【専用機材が必要
  • コンプレッサーリレーの故障
  • コンプレッサーマグネットスイッチの故障
  • 冷媒システム内部の異常【専用機材が必要
  • ラジエターファン、コンデンサーファンの故障

この6個をすべて確認するのがベストですが、専用機器がないと良否判断が出来ないのもあります。

専用機材が必要な場所をディーラーで診断してもらう前に、簡単に出来る点検方法をご紹介します。

以下の簡易点検箇所を点検して原因を見つけてみましょう。
もし、点検してもわからない場合は、ディーラーへの相談をお勧めします。

エアコン故障の簡易点検方法を3つ紹介

コンプレッサーリレーの作動確認

エアコン故障の一番多い部品がコンプレッサーリレーです。

電気をON/OFFしている部品で、長期間使用していると接点不良を起こします。

ストリームRN6の確認方法

エンジンルームのバッテリー上にあるリレーボックスを蓋を取ります。

リレーボックス
リレーボックス

写真の赤○の部品がコンプレッサーリレーです。

車内からエアコンスイッチをON/OFFしてもらいこの部品が動いているを確認します。

正常だとカチカチと振動を感じますが、不良品は振動が弱かったり無反応だったりします。

壊れかけの時は、脱着したり軽く叩いたりすると動く事があるで試す価値はあります。

コンプレッサーのマグネットクラッチの作動確認

コンプレッサーのマグネットクラッチとは写真の様な部品です。

自働車のコンプレッサー
コンプレッサーのマグネットクラッチ

右側が冷媒ガスを圧縮するコンプレッサー本体で、赤○の部品がマグネットクラッチです。

コンプレッサー本体へエンジンの駆動力を伝えたり遮断したりする部品です。
マグネットという名前の通り、クラッチ内部のコイルに電気を流して電磁力でスイッチングします。

ストリームの場合はエンジンのベルト側の下部に付いていて、ペンライトなどで照らして動きを確認してください。

【マグネットクラッチの確認方法】
室内からエアコンをON/OFFしてマグネットクラッチが作動しているかを確認します。

  • ON時にコンプレッサーの軸部が回っていれば正常
  • OFF時にコンプレッサーの軸部が回っていなければ正常

この2つを確認してください。

異常がみられる場合は、マグネットクラッチの電源が正常かを判断して、電源があればマグネットクラッチの故障です。

ラジエターファン、コンデンサーファンの作動確認

自働車のエンジンルーム
ラジエターファン、コンデンサーファンの位置

ラジエターファンと、コンデンサーファンはエンジン水温やエアコンシステムを冷却させるためのファンで扇風機のファンの様な部品です。

エンジンとラジエターの間についている部品で、エンジンルームを開けてのぞき込めば確認ができます。

エアコンON時に二つあるファンが勢いよく回っていれば正常です。

動きがゆっくりだったり、止まっている場合はオーバーヒートする可能性もあるので早急にディーラーへ相談してください。

自分で修理できるのか?

コンプレッサーリレーの交換や、コンデンサーファンの交換くらいでしたらDIYでも修理可能です。

しかし、冷媒システムの修理は冷媒ガスの回収機や冷媒ガスの補充作業などが伴うのでDIYで行うのはオススメしません。
そうした際は、ディーラーで修理してもらうのが安心・安全です。

コンプレッサーリレーの故障で実際にディーラーに修理に持ち込まれた事例

車種:ストリーム
型式:DBA-RN6
走行距離:75000キロ

ストリーム
RN6 ストリーム
工場長
工場長

本日はどうなさいましたか?

ユーザー
ユーザー

エアコン付けても冷風が出なくなりました。

工場長
工場長

止まっていても、走行していても

冷風は出ませんか?

ユーザー
ユーザー

はい。そうです。

工場長
工場長

風自体は出ますか?

ユーザー
ユーザー

はい。でます。

工場長
工場長

承知いたしました。

それでは、お車を点検させて頂きます。

実際に確認できた症状

整備工場でホンダストリームを診断している男性整備士
各所を念入りに点検します

【車内で確認】

  • エアコンをONにしても冷風が出ない
  • エアコンをONにしてもエンジン回転の落ち込みがない
  • 風量は異常ない

【エンジンルームを確認】
エアコンONの状態

  • ラジエターファン、コンデンサーファンは回っている
  • マグネットクラッチがONしていない

チェックランプ、DTCの有無の確認

チェックランプ:なし
DTC:なし

↓↓DTCコードの確認方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、興味がある方はご一読ください。

実際に詳しく診断した結果

【診断方法】

マグネットクラッチがONしていないので、コンプレッサーリレーの作動点検を実施。

エアコンON/OFFでリレーが動いていない事を確認。

プラスチックハンマーなどで軽く振動を与えると、リレーが作動してコンプレッサーがONになった。

【診断結果】

コンプレッサーリレーの接点不良

コンプレッサーリレー
コンプレッサーリレー

コンプレッサーリレーの不良で冷風が出なかった場合の修理箇所と修理費用

修理箇所:コンプレッサーリレー
修理金額:約8,000(診断料込み)

マグネットクラッチの故障で実際にディーラーに修理に持ち込まれた事例

車種:ストリーム
型式:DBA-RN6
走行距離:120000キロ

RN6のストリーム
工場長
工場長

本日はどうなさいましたか?

ユーザー
ユーザー

長時間走っていると冷風が出なくなります。

工場長
工場長

長時間とは具体的にどのくらいですか?

ユーザー
ユーザー

1時間以上走ると症状が出やすい感じがします。

工場長
工場長

冷風でなくなった時、また冷風が出ますか?

ユーザー
ユーザー

コンビニなどで10~20分休ませるとまた冷風が出る様になります。

工場長
工場長

症状が出やすい条件などありますか?

ユーザー
ユーザー

物凄く暑い日(35度)や高速の渋滞時はすぐに冷風が出なくなります。

工場長
工場長

今日はどうでしたか?(気温:約30度)

ユーザー
ユーザー

自宅から20分くらい走りましたがずっと冷風出ていました。

工場長
工場長

承知いたしました。

それでは、お車を点検させて頂きます。

実際に確認できた症状

山梨の街中をホンダストリームを運転しているホンダの整備士
入念にテスト走行をします。

【入庫時】

  • 冷風が出る事を確認できた
  • 作動音に異常は見られない

【故障条件を再現時】外気温30度で1時間半エンジン始動してエアコン作動テスト

  • 冷風が出ず送風になっている
  • エンジンルームからマグネットクラッチが作動していない事を確認

チェックランプ、DTCの有無を確認していみた。

チェックランプ:なし
DTC:なし

実際に詳しく診断した結果

【診断方法】

冷風が出来ない時マグネットクラッチも動いていないので、マグネットクラッチに12Vが来てるのかを点検。
⇒マグネットクラッチのカプラーまで12Vあり

電源はあるのに、マグネットクラッチが作動していない事を確認。

単品点検でマグネットクラッチ内のコイルの抵抗値を測定
⇒導通なし(内部断線)

【診断結果】

マグネットクラッチの内部断線

故障しているマグネットクラッチは熱によって内部抵抗がかわってしまい、動かなくなる事があります。初期の故障では部品自体が冷えて抵抗値が戻ればまた作動します。

マグネットクラッチ
内部にマグネットクラッチがある

マグネットクラッチの不良で冷風が出なかった場合の修理箇所と修理費用

修理箇所:マグネットクラッチ一式(リビルトのコンプレッサーASSY)
修理金額:約60,000円

走行距離と使用期間を加味すると、マグネットクラッチを交換してもそのうちコンプレッサー本体の故障も発生する時期なので予防整備としてリビルトのコンプレッサーASSYで交換
※リビルトのコンプレッサーASSYはリビルトのマグネットクラッチ一式もセットになっています。

【故障個所のマグネットクラッチのみの交換の場合】
修理金額:約25000円
※古い車にこの修理はオススメしません。

【新品コンプレッサーとマグネットクラッチの交換】
修理金額:約85000円

コンデンサーファンの故障で実際にディーラーに修理に持ち込まれた事例

車種:ストリーム
型式:DBA-RN6
走行距離:90000キロ

RN6 ストリーム
RN6 ストリーム
工場長
工場長

本日はどのような症状でしょうか

ユーザー
ユーザー

エアコンの調子が悪くて、信号待ちなどで止まっていると冷風が出なくて、走り出すと冷風が出ます。

工場長
工場長

外気温など症状が出やすい他の条件などありますか?

ユーザー
ユーザー

走っているか止まっているくらいで他の出やすい条件は特にないと思います。

工場長
工場長

本日は症状出ていましたか?

ユーザー
ユーザー

今朝も走り出すと冷風が出ました。

工場長
工場長

承知いたしました。

それでは、お車を拝見させて頂きます。

実際に確認できた症状

整備工場でホンダストリームのエアコン診断をしている男性整備士
回転物の診断は巻き込みに十分ご注意ください

アイドリング時は確かに冷風は出ないが、走行すると冷風は出る事を確認。

エンジンルーム内の点検をすると、コンデンサーファンはかろうじで回っていたがラジエターファンは止まっていた。

どちらのファンもドライバーなどでコンコンと振動を与えると通常のスピードで回るがしばらくするとまた同じ状態になってしまう

チェックランプ、DTCの有無の確認

チェックランプ:なし
DTC:なし

実際に詳しく診断した結果

【診断方法】

ラジエターファンとコンデンサーファン共にコンコンと振動を与えると動くので12Vは来ていると判断。

ファンが回るかコンデンサーが走行風で冷えれば冷風が出るので、ファン以外のエアコンシステムは正常と判断。

【診断結果】

ラジエターファンとコンデンサーファンの故障

恐らく先にどちらかが壊れて、もう片方も壊れかけてきたので冷却性能が落ちて症状が発生したと考える。

コンデンサーファンとラジエターファン
コンデンサーファンとラジエターファン

コンデンサーファンとラジエターファンの不良で冷風が出なかった場合の修理箇所と修理費用

修理箇所

  • コンデンサーファンモーター
  • ラジエターファンモーター

修理金額:28,000円

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