みなんさんこんにちは、ホンダよろず相談所の工場長です。
今回は、N-BOXでメーター内に[レーダーが汚れています]と表示された時の対処法や実際にあった故障事例を解説したいと思います。
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[レーダーが汚れています]が表示される4つの原因とは?
[レーダーが汚れています]と表示される原因は、レーダーの送受信がうまく出来ていないのが原因です。
これは、レーダー前方に障害物があったり発射されるレーダーの位置がずれていたりと様々な理由があります。
N-BOXではフロントバンパー右下にホンダセンシング用のレーダーが装着されています。
このレーダーに何かしらの外的要因がありレーダー照射に影響があると、異常がある事を運転手に伝える為、メーター内に[レーダーが汚れています]と表示が出るのです。
この表示は、まだ完全に壊れてはいないが故障しているかもと車両が認識している状態です。
これを放ってお行くと完全な故障だと車両が認識や誤認識して、他の警告灯を点灯されてしまします。
次に、[レーダーが汚れています]の表示が出る原因を紹介します。
以上の事を簡単にまとめると[レーダーが汚れています]の表示が出るのは、次の4つの原因にまとめることができます。
[レーダーが汚れています]の表示が出る4つの原因
- 車両姿勢の変化
- ミリ波レーダー前部に雪などの障害物が付いた時
- ミリ波レーダーの取り付け状態の変化
- 走行場所によるが外的要因
この4つの状態に当てはまる時に、[レーダーが汚れています]が表示される場合があります。
[レーダーが汚れています]の表示が出た時の対処法7選
[レーダーが汚れています]の表示が出た時の対処法は大きく分けて7個あります。
- レーダー付近の汚れをふき取る
- 荷物を降ろす
- タイヤの空気圧を基準値に調整する
- レーダーの再エーミングをする
- レーダー本体の交換をする
- 取り付け位置を修正する
- レーダーユニット&システムの交換
[レーダーが汚れています]の原因により対処が異なる為、なぜこのような表示がでてしますのかを解説したいと思います。
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原因別対処法①車両姿勢の変化が原因の場合の対処法
サスペンションの調整・修理 | パンク修理 | 空気圧調整 | |
ディーラーでの修理費用 | 数万~100,000円 | 2000円 | 0円 |
民間整備場での修理費用 | 数万~100,000円 | 2000円 | 0円 |
空気圧調整や荷物降ろしなどは自分で行えますが、サスペンションの調整修理は専用工具が必要な為、ディーラーや修理工場へ依頼しましょう。
空気圧はこの様な工具があれば空気を入れたり抜いたりを自宅でも行えます。
車両姿勢の変化は基本的に純正状態に戻す事や規定値に調整する事により正常な状態に戻ります。
- サスペンションを改造している⇒元に戻しましょう
- 荷物の過積載⇒荷物を降ろしましょう
- 空気圧を異常に調整している⇒基準値に調整しましょう
- 空気圧が減っている又はパンクしている⇒規定空気圧に調整&パンクを修理しましょう
原因別対処法②ミリ波レーダー前部に雪などの障害物がついた事が原因の場合の対処法
雪がバンパーに付着している場合は自分で取り除いてみましょう。
それでも、変化がない場合はディーラーや修理工場に依頼しましょう。
診断費用 | |
ディーラーでの修理費用 | 5,000円前後 |
民間整備場での修理費用 | 5,000円前後 |
雪道や泥道走行や雨などで明らかに汚れが付いた後に、[レーダーが汚れています]が表示された場合は、汚れを取り除きましょう。
水洗いが布で傷がつかない様にミリ波レーダー前部付近のバンパーを清掃してください。
清掃後すぐには[レーダーが汚れています]の表示は消えません。
数km~数10km走行して正常が数値がユニットに記憶されると、自動で[レーダーが汚れています]の表示は消灯します。
数100km走行しても変化がない場合は、一度記録されたDTC(故障コード)を消去する必要があるのでディーラーなど整備工場に依頼しましょう。
DTCの消去にはOBDのスキャンツールという診断機が必要です。
DTCの確認方法、消去法を解説している記事があるので、興味ある方はご覧ください。
●DTCとは何か?
●OBDスキャンツールを使用したみた記事
●使用したOBDスキャンツール
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原因別対処法③ミリ波レーダーの取り付け状態の変化が原因の場合の対処法
エーミングやフレーム修正などは、専用機器が必要なため自分で修理作業は行えません。
ディーラーや民間整備場に依頼しましょう。
※民間車検場では、エーミングやフレーム修正の設備がない場合があります。
エーミング費 | フレーム修正やバンパー交換 | |
ディーラーでの修理費用 | 10,000円前後 | 200,000~400,000円前後 |
民間整備場での修理費用 | 10,000円前後 | 200,000~400,000円前後 |
ミリ波レーダーの取り付け状態が変化する原因は2つあります。
- 繰返しの振動や強い振動による変化
- 地面や壁と車体の衝突による変化
●繰返しの振動や強い振動による変化
振動による変化は、悪路を沢山走る方や、高い段差を降りるなど前輪に強い衝撃を与える乗り方をする方によく出ます。
この対処法は、ミリ波レーダーの再エーミングが必要です。走っていれば自然と治るものではありません。
●地面や壁と車体の衝突による変化
よくあるのが、バンパーを壁に擦ってしまい中のフレームが歪んでしまったり、フロントの下回りを強く打ってフレームが曲がってしまう事があります。
この対処法は、フレーム修正を伴う板金修理が必要です。
原因別対処法④走行場所による外的要因が原因の場合の対処法
ディーラーや民間整備場に依頼した時の修理費用は以下の通りです。
DTC消去 | |
ディーラーでの修理費用 | 5,000円前後 |
民間整備場での修理費用 | 5,000円前後 |
トンネルなど閉鎖された場所の走行や、鏡張りのビル街の走行など外的要因で[レーダーが汚れています]の表示が出てしまった場合の対処法は、数km~数10km走行してください。
この場合は、学習値がズレてしまっただけなので正常な学習値が学習されれば、自然と消灯します。
数100km走行しても変化がない場合は、一度記録されたDTC(故障コード)を消去する必要があるのでディーラーなど整備工場に依頼しましょう。
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[レーダーが汚れています]の表示が出た際の車への影響は?
ホンダセンシング系の警告灯が表示されている時は、基本的にホンダセンシングは全部又は一部の機能を停止しています。
[例 JF3型N-BOXの場合]
●DTC:P2583-97 ミリ波レーダー汚れ
ACC | 作動停止 |
CMBS | 警告灯点灯+作動停止 |
LKAS | ー |
路外逸脱制御装置 | 警告灯点灯+作動停止 |
ブレーキシステム(橙) | ー |
オートハイビーム | ー |
後方誤発発進抑制機能 | ー |
●DTC:P2583-76 カメラ/レーダー統合制御システム 一時的な作動停止(ミリ波レーダー軸ずれ)
ACC | 警告灯点灯+作動停止 |
CMBS | 警告灯点灯+作動停止 |
LKAS | ー |
路外逸脱制御装置 | 警告灯点灯+作動停止 |
ブレーキシステム(橙) | ー |
オートハイビーム | ー |
後方誤発発進抑制機能 | ー |
●DTC:U3000-49 ミリ波レーダー内部故障
ACC | 警告灯点灯+作動停止 |
CMBS | 警告灯点灯+作動停止 |
LKAS | 警告灯点灯+作動停止 |
路外逸脱制御装置 | 警告灯点灯+作動停止 |
ブレーキシステム(橙) | 警告灯点灯+作動停止 |
オートハイビーム | ー |
後方誤発発進抑制機能 | 作動停止 |
上記の様に、原因となるDTC(故障コード)で警告灯の点灯や作動停止する物が異なります。
何が原因でも、不安な場合はディーラーなど整備工場で点検を受ける事をお勧めします。
診断費は5,000~10,000円が相場です。
放置するとどうなるの?
故障をそのまま放置しても、自動車の基本作動の走る・止まる・曲がるに直接的な影響はありません。
ミリ波レーダーが作動しないままだと、ホンダセンシング全般の作動が停止したままになり、本来期待される安全装置が作動しません。
また、警告灯が点灯している場合は車検に通らないなどの不都合もあるので早めに対処しましょう。
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次のページで実際にあった2つの故障事例を紹介します
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