知ってるようで知らない?! 『リコール』『改善対策』『サービスキャンペーン』の違いを徹底解説!

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Honda車のよろず相談所の工場長の経歴
●主な資格

  • 国家一級整備士
  • ホンダサービスエンジニア1級
  • フロントマネージャー資格
  • 自動車検査員

ホンダディーラー10年以上の知識と経験を生かして、誰にでもわかりやすく解説していきます。

意外と知らない各定義とは?

よくネットニュースなどで、『自動車メーカーからリコールや改善対策が発表されました。』と、
見る事がありますが、みなさんはその3つの差はわかりますか?

基本的に3つ共に、設計や製造過程に問題があり自動車メーカー自らの判断により、国土交通大臣に届出て修理や回収を行い、未然に事故やトラブルを防ぐ制度です。

その3つがどう違うのかを詳しく解説します。

リコール、改善対策、サービスキャンペーンについて『国土交通省』が明確に定義しているので
まずはそちらかは確認していきましょう。

リコールの定義

リコールとは、同一の型式で一定範囲の自動車等又はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うことをいいます。

https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/report.html

例えば、
設計や製作過程の問題でハンドルが操作出来なくなる可能性がある
その症状が発生すると『走る、止まる、曲がる』事が出来なくなり重大事故になるような故障。
※曲がる事が出来ない状態になる。

改善対策の定義

改善対策とは、リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うことをいいます。

https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/report.html

例えば
設計や製造過程の問題でハンドルのパワーステアリングが機能しなくなる可能性がある
その症状が発生すると、『ハンドルが重くなって操作しにくくなる』ような故障。
※曲がる事は出来るが操作しにくい状態になる。

サービスキャンペーンの定義

サービスキャンペーンとは、リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うことをいいます。

https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/report.html

例えば
・設計や製造過程の問題でハンドルのパワーステアリングに異音が出たり、操作感が変化してしまう
その症状が発生すると、『ハンドル操作に大きく支障はないが、正常ではない』ような故障。
※基本操作に支障はないがメーカーが意図しない状態になる。

3つの差とは?

同じハンドルの事例でも、リコール・改善対策・サービスキャンペーンによって危険性が違うんですね。

リコール対象だと、根本的にハンドル操作が出来なくなってします。
それにより、走行中重大な事故に繋がったり、保安基準不適合となります。

改善対策対象だと、アシストが止まってしまうがハンドル自体の操作は出来る。
よれにより、安全性が低下したりするが保安基準は問題ない。

サービスキャンペーン対象だと、商品性や品質の低下はあるが安全性には支障はない。
症状が発生しても車の基本機能は問題ない状態となります。

上記により危険度は
リコール>改善対策>サービスキャンペーン
の順になります。

上記は全て国交省とメーカー目線の話で、実際の所は整備士目線で見てもこの改善対策は
リコールレベルだろ…など沢山あります。
っと、言っても国土交通省が最終判断をしているので厳粛なルールの上で判断されています。

各回収・修理の具体例

実際の具体例はこちらです。

『リコール』
・N-BOXなど8車種 燃料ポンプの不良により走行中エンストの恐れがある。
 ⇒燃料ポンプの交換
・N-ONE      クラッチ液が漏れ走行中変速出来なくなる恐れがある。
 ⇒ピークトルクリミッターの交換

『改善対策』
・フィットなど13車種 ブレーキ内部故障によりペダルの操作力が増大する恐れがある。
 ⇒ブレーキオペレーティングシミュレーター(制動装置)の点検。不良品は交換
・ステップワゴン    テールゲート開閉時にテールゲートが突然降下する恐れがある。
 ⇒テールゲートオープンステー及びボールジョイント外れ防止カバーを新品に交換

『サービスキャンペーン』
・フィット 運転支援システムが作動しない恐れがある。
 ⇒ソフトウェアアップデート
・ベゼル   一速ギヤが嚙み合わず発進出来なくなる恐れがある。
 ⇒ソフトウェアアップデート

等、色々な車種が対象となっています。
詳しくはHONDAのHPにてご確認ください。

最後に

いかがだったでしょうか?
今回はリコール、改善対策、サービスキャンペーンについて詳しく説明しました。

もし乗っているお車が対象になった場合は、焦らず怒らずディーラーで作業してもらいましょう。
全て無料作業なので、ゆっくりコーヒー飲んでお待ちください。
精一杯の作業をさせて頂きます。

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