この始動時エンジンルームから[ガラガラ音]がする事象は同じエンジンを使用している下記6車種に該当します。
- FIT(GK5、GK6)
- シャトル(GK8、GK9)
- VEZEL(RU1、RU2)
- グレイス(GM6、GM9)
- フリード(GB5、GB6)
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始動時にエンジンより”ガラガラ”音がする故障の原因は?
始動時にエンジンより”ガラガラ音”がする理由は、エンジン内部のVTCという部品が暴れているからです。
VTCとは:エンジンのバルブ開閉タイミングを変える可変バルブ機構です。
電動式と油圧式の2タイプがありますが、今回のVTCは油圧式タイプの故障です。
エンジンの上部に付いており、このエンジンでは補器ベルト側の車両前方のIN側に装着されています。
VTCってどんな部品なのか?
- VTCの表側(サイズは握りこぶしくらいの部品です)
- 裏側
- 横側
- 分解図
この中身はあまり見た事がないと思います。
カバーを外した状態で隙間にはエンジンオイルが充填されています。
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VTCから始動時に”ガラガラ音”がする原因とは?
本来VTCの中はエンジンオイルで満たされており、油圧によって中の油圧機構を動かしています。
朝一など前回エンジンを止めてから数時間以上経っている状態でエンジンを始動すると、アクチュエーターボディボディ内にオイルが十分に充填される前にエンジンが始動してしまいます。
そうする事でベーンがアクチュエーターボディ内で暴れて”ガラガラ音”が発生するのです。
オイルが十分に充填されると音は止まります。その間1~2秒音が発生します。
始動時に”ガラガラ音”がしたら、どこをチェックしたらいいか?
どの条件で発生するかを特定するのが一番のチェックポイントです。
- エンジン停止から数時間~24時間経過をにエンジンを始動する。
- 始動直後の1~2秒のみ”ガラガラ音”が発生するか。
異音が上記の条件に合っているかを確認してください。この2つの条件で音が発生している場合は、VTCからの異音と判断ができます。
自分で修理できるのか?
このエンジンのVTC交換は、高圧燃料装置を一部取り外したり、エンジン内部の分解作業があるのでDIYでは行えません。
修理はディーラーへご相談ください。
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朝一など始動時に”ガラガラ音”がして、実際にディーラーに修理に持ち込まれた事例
車種:フリード
型式:DBA-GB5
走行距離:65000キロ
症状発生時の状況を詳しく教えて下さい。
エンジンをかけるとエンジンルームから数秒「ガラガラ」音がする事があります。
毎回症状は確認できますか?
毎回音が出る訳ではないです。
半日以上車を止めている時や特に朝一などエンジンが冷えている時が出やすいです。
今もガラガラ音は確認できますか?
朝一はなっていましたが、今すぐは確認できないと思います。
誰でも確認できますか?
家族全員確認しているので、出来ると思います。
以前から症状が出ていましたか?
前は数日乗らなかったら症状が稀に出るくらいでしたが、ここ1ヶ月が特によく音がします。
走行中など違和感はありますか?
エンジンがかかってしまえば普通です。
ありがとうございます。
それでは、お車を拝見させて頂きます。
確認した症状
入庫時のエンジン始動ではご用命の始動時「ガラガラ」音は確認できませんでした。
車両をお預かりして、翌朝一始動確認を実施しました。
エンジンを始動させて数秒間、エンジンルームのカムチェーン側上部から「ガラガラガラ」と
打音の様な音を確認しました。
動画を撮ってお客様へ確認した所、ご用命と同じ「ガラガラ」音でした。
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チェックランプとDTCの有無の確認をしてみた
チェックランプ:点灯なし
DTC:なし
DTCの確認方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
DTCが記録していた事例紹介
DTC:P0011 VTC Aシステム機能異常
このDTCが入力していた事例がありました。その時はエンジン始動するとメーター内にエンジン警告灯が点灯していました。
エンジンルームから”ガラガラ音”もして、エンジン警告灯が点灯している時は至急修理を行ってください。
別の車両ではVTCが破損して破片がエンジン内に散らばり、廃車になった車両もあります。
”ガラガラ音”をほっておくと”警告灯が点灯”それもほっておくと部品が破損して”廃車”となる可能性があるのでご注意ください。
実際に詳しく診断した結果
【症状の確認】
エンジン停止後12時間以上経過させて、エンジンが完全に冷機状態にさせて始動させる。
始動直後の1~2秒間”ガラガラ音”が発生する事を確認しました。
エンジンオイルの量や、アイドリングや走行テストは異常ありませんでした。
始動時以外の作動音も異常ないのでVTCからの異音だと判断しました。
VTCから”ガラガラ音”がする不具合の修理箇所と修理費用
修理箇所:油圧式VTCアクチュエーターASSY、VTCコントロールバルブ(号機により交換不要になっている車両もある為、要確認)
修理費用:85,000円
参考記事
今回と同じエンジンを使用した車に発生する事がある、故障事例があるので合わせてご覧ください。
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コメント
フリード5年半乗っていますが、車検の数日前からエンジン始動時に異音が数秒続いたので、車検時に見てもらいましたが、原因がわからないということで現在も治らず、季節が暖かくなっても、昼夜を問わず異音が毎回鳴っています。これもVTCの関係なのでしょうか?
コメントありがとうございます。
この手の故障は、症状が確認できないと特に問題ございません。様子を見てください。と言われる事が多いと思います。
自動時に数秒のガラガラ・ガー音でしたら、ほぼVTCだと思われます。
また、気温は発生条件にあまり関係ないです。(気持ち夏場の方が出やすいくらい)
毎回鳴るのでしたら、動画で録音して確認してもらうのが一番だと思います。
わかりやすい説明ありがとうございます
異音の理屈が理解できました
みんカラにホンダのサービスニュースが載っていたので グレイスですがディラーで無償部品交換してもらいましたが3年位で再発して今はあきらめてそのまま乗っていますが 記載されてる通り部品が破損すると危ないですね
硬めのオイルで治る位だと嬉しいのですが