こんにちは、Honda車のよろず相談所の工場長です。
本日は、N-BOXのエンジンかからない5個の原因と自分で確認できる症状別診断方法について、詳しく解説していきます。
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N-BOXのエンジンかからない時に多い原因5選
N-BOXのエンジンかからない原因として多い5個の事象を紹介します。
- バッテリーが原因
- スターターモーターが原因
- 燃料系が原因
- スマートキーが原因
- エンジントラブルが原因
各原因の症状や修理費用を詳しく解説していきます。
1.バッテリーが原因でエンジンかからない場合
エンジンかからない原因として最も多いのがバッテリーに関連するものです。
原因としては、バッテリー劣化やなにかしらの要因でバッテリーがあがってしまうとエンジンが掛からなくなってしまいます。
バッテリーあがりでエンジンかからなくなる時の症状
- スマートキーで開錠施錠が出来ない
- スタートボタンを押してもメーターがカチカチしてセルが回らない
- いつもよりセルがゆっくり回る
などの、症状が見られます。
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バッテリーあがりでエンジンかからなくなる時の対処法
対処法は二つあります。
- 救援車から電力をもらいジャンプスタートする
- バッテリーを交換する
道端や出先でバッテリーあがりが原因でエンジンかからなくなった場合はJAFやご加入の任意保険のロードサービスを手配して救援車からジャンピングスタートをしてもらいましょう。
ジャンピングスタート自体はJAFやロードサービスでなくてもブースターケーブルという工具があれば誰でもできます。
ジャンプスタートのわかりやすいやり方がJAFのサイトで紹介されているので、興味ある方はご覧ください。
モバイルバッテリーが進歩した昨今はこの様な大きいモバイルバッテリーでも車のエンジンをかける事が出来ます。
5,000円前後から購入できるのでお守りとして持つのも良いと思います。
※高電圧を使用するので安価な物はあまりお勧めできません。最低でもこちらの商品以上の物がお勧めです。
自宅でバッテリーあがりを起こした際は、自身でバッテリーを用意して交換する事も可能です。
JAFを要請するとその場で新品バッテリーに交換してくれるサービスもあります。
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バッテリーあがりの修理費用
- バッテリー劣化が原因の場合
ロードサービス費用:0~数万円(20,000円前後が多い)
バッテリー交換費用:10,000~30,000円前後(バッテリーの種類により大きく変わります)
自分でバッテリー交換を行った場合:10,000~30,000円前後(バッテリーの種類により大きく変わります)
- 暗電流増加などバッテリー劣化以外の原因の場合
診断費用:5,000円前後
修理費用:0~10,000円が多い
2.スターターモーターの故障が原因でエンジンかからない場合
エンジンはセルモーターという上の写真のような大きなモーターによって回転を始めます。
そのセルモーターは大電流が流れて非常に強い力が加わる部品でもある為、比較的故障が発生しやすい部品です。
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スターターモーターが原因でエンジンかからない時の症状
スタートボタンを押しても、無反応だったり、エンジンルーム周辺から[カチ][カチカチ]などと音がなります。
特徴としてメーターなど電装品は正常でエンジンのクランキングだけありません。
スターターモーターが原因でエンジンかからない時の修理費用
スターターモーター交換費用:約75,000円
中古品やリビルト品を使用すると20,000~40,000円くらいに抑えられます。
中古品やリビルト品については詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてご覧ください。
3.燃料系のトラブルが原因でエンジンかからない場合
燃料系のトラブルは燃料ポンプの故障によるものが大半を占めます。
この不具合はリコールとして国土交通省に届けられて無償で燃料ポンプ交換を受けられます。
詳細はこちらの記事をご参照ください。
ホンダのリコールサイト
燃料系のトラブルでエンジンかからない時の症状
燃料ポンプの故障や燃料系統の故障の場合は、エンジンをかけようとしても長いクランキングはするが一向に始動しない。かろうじでエンジンがかかるがすぐに止まっていますなどが考えられます。
燃料系のトラブルでエンジンかからない時の修理費用
リコール該当車種の燃料ポンプ交換:無料
リコール対象外の燃料ポンプ交換:約60,000円前後
インジェクター不良:約75,000円前後
燃料の入れ間違い:約50,000円前後
※危険性を伴う作業の為、自分での作業は基本不可
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4.スマートキーが原因でエンジンかからない場合
意外と見過ごしてしまうがスマートキーの不具合です。この不具合は大きく分けると二つあります。
- スマートキー本体故障
- スマートキー電池劣化
両方ともスマートキーでドアロックの開錠施錠ができなかったり、スタートボタンを押してもエンジンがかからないといった同じ症状が発生します。
スマートキー本体故障の場合の診断方法と修理費用
●スマートキー故障の診断方法
スマートキーの故障が考えられる場合の診断方法は極めて簡単で、スペアキーでドアロックの開錠施錠が出来るか、エンジンがかかるかを確認してください。
スペアキーは正常作動する場合は、スマートキー電池が正常であれば無反応のスマートキーは故障が考えられます。
●スマートキー故障の修理費用
スマートキー交換:約35,000円
自分でスマートキーを用意した場合:2~3,000円前後(イモビ登録代)
スマートキー電池劣化の場合の診断方法と修理費用
●スマートキー電池診断方歩
スマートキー電池を外して内部のボタン電池を測定します。正常時約3.1V程あり3.0Vを切ってくると交換時期です。
測定できなくても、新しい電池に入れ替えて使えるかを見ても判断できます。
●スマートキー電池劣化の修理費用
スマートキー電池交換:約500円
自分でスマートキー電池交換した場合:約2~300円
電池自体は電気屋やコンビニでも手が入るので自身で交換も可能です。
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5.エンジントラブルが原因でエンジンかからない場合
エンジントラブルの場合は、クランキングはするがエンジンかからないや、エンジンはかろうじで始動するがすぐにエンストしてします。エンジンはかかるがパワーがないなど色々な症状がでます。
バッテリーやスターター、燃料系やスマートキーの故障ではなさそうな時はディーラーでしっかりと点検してもらいましょう。
エンジン内部や周辺部品の故障が原因の場合は、専用工具など設備が必要になります。
過去に私が経験した故障個所と修理費用を紹介します。
- オーバーヒートでエンジン交換:約200,000円
- オイル漏れが原因でエンジン交換:約200,000円
- 20万キロ以上の過走行でターボ関連部品の故障:約100,000円
- 5万キロオイル無交換でエンジン全分解:約100,000円
- 専用工具が必要な為、自分での作業は基本不可
N-BOXのエンジンかからない時の症状別対処法と修理費用
N-BOXのエンジンがかからない時の症状別の対処法とその場合の修理費用をご紹介します。
1つづつ順番に確認していきましょう。
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1.キーレスが反応しなかったりイグニッションがON出来ない時
スマートキーを持って車内にのり、イグニッションONできない場合はメーター内にこの表示がでます。
この状態は、車両がスマートキーを認識出来ていません。
原因がスマートキーなのか車両の受信側なのかを判断する必要があります。
- スマートキーの電池残量の確認
- スマートキー本体故障の判断
- 車両受信側の点検
スマートー電池残量の確認方法
スマートキーのどこでもいいのでボタンを押してキーの赤いランプが点灯するかを確認してください。
ボタンを押して赤いランプが点灯すれば最低限の電池はあるので、スマートキーは反応しています。
●スマートキーの電池の交換方法(JF1.3)
もし電池が消費している場合は交換しましょう。作業は特に難しくはありません。
写真の合せ面を確認します。
合せ面にコインやドライバーなど抉るものを差し込んで捻ります。
10円玉などでも可能です。布を挟むと傷防止にもなります。
半分に割れました。
ボタン電池上部の細いドライバーなどを差し込んでボタン電池を外します。
つまようじなどで代用可能です。
新しいボタン電池を取り付けます。
取り付け後の作動確認は、ボタンを押して上部の赤いランプが点灯するかを確認しましょう。
●スマートキー電池の交換方法(JF5)
JF5型のスマートキーの電池の交換方法です。
メカニカルキーを外して写真の様に弱に差し込んでキー本体を二つに分解します。
↓↓
半分に分解出来たら電池を細いマイナスドライバーなどで外しましょう。
新しい電池に交換し、組み付けて、作動確認でボタンを押して赤いランプが点灯すれば作業完了です。
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スマートキー本体故障の判断
スペアキーを準備して、同じくエンジンかからないのであればスマートキーは正常だと判断できます。
もしスペアキーを使用すると問題なくドアロックやエンジンがかかる場合は、使いえないスマートキーが故障している事がわかります。
車両受信側の点検
スマートキー本体、スマートキー電池が正常な場合は、スマートキーから出る電波の受信側の故障が考えられます。
その場合は、車両の故障コードを確認する必要がある為、専用工具が必要です。
確認方法や使用工具はこちらの記事で解説しています。
もし、車両受信側の故障が考えられる場合はディーラーに点検を依頼しましょう。
点検作業費用は5,000円前後が相場です。
2.シフト位置が[P]なのに[P]にしてくださいと表示される時
落ち着いて、シフト位置を確認してパーキングに戻しましょう。
メーターのシフト位置を実際のシフト位置が確実に[P]パーキングになっている事を確認しましょう。
もしシフト位置を[P]にしてもメーターのシフト位置が[P]にならない場合はシフト位置を監視しているセンサーが故障している場合があります。
これ以上の診断には専用の診断機が必要なので、ディーラーに続きの診断を依頼しましょう。
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3.ブレーキを踏んでいるのにブレーキランプが点灯しない時
今の自動車はブレーキを踏まないとエンジンがかかりません。
本来ブレーキペダルには、ブレーキを踏むとスイッチがONになる[ブレーキスイッチ]という部品がついています。
その[ブレーキスイッチ]が故障するとブレーキを踏んでいるのにスイッチがONにならずエンジンがかからないという症状が発生します。
確認方法は簡単で、イグニッションON/OFFどちらでもいいのでブレーキを踏みます。
その時、後ろのブレーキランプが点灯していればブレーキスイッチは正常だと判断できます。
壁に反射するランプ光が見えれば、一人でも確認できます。
4.イグニッションはON出来るがエンジンがかからない時
イグニッションがON出来るがエンジンがかからない時は、クランキングするかしないかで点検・診断方法が変わってきます。
※クランキングとは?
エンジンがスターターモーターによって回されている事をクランキングと言います。
クランキングするがエンジンがかからない故障時に予想される故障個所と修理費用
クランキングしない場合は、専用の診断機を使用して今の車両状態を細かく点検する必要がある為、ユーザーでの点検は困難です。その場合は、ディーラーへ依頼しましょう。
その場合の診断費用は数千円~10,000円前後が相場です。
●燃焼系統の故障
- 燃料ポンプの故障:リコール対象の場合無料・有償の場合約60,000円前後
- インジェクターの不良:約75,000円前後
- 燃料の入れ間違い:約50,000円前後
- ※危険性を伴う作業の為、自分での作業は基本不可
●点火系の故障
ディーラーに依頼した場合
- スパークプラグの故障:約30,000円
- トップコイルの故障:約35,000円
自分で交換した場合
- スパークプラグの交換:5,000~20,000前後(プラグの種類による)
- トップコイルの交換:約18,000円~(NGKor純正品が推奨)
純正品以外のオススメプラグ
純正以外のオススメトップコイル
●排気系の故障
- EGRの故障:約10,000円
●プログラム系の不良
- プログラム調整:数千円~約10,000円
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クランキングしない故障時に予想される故障個所と修理費用
クランキングしない原因がバッテリーあがりの場合は、比較的診断は簡単ですがそれ以外の場合は専用工具やある程度エンジンを分解しないと原因がわからない為、ディーラーに依頼した方がいいです。
●バッテリー関連の故障
- 劣化によるバッテリー上がり:10,000~30,000円(バッテリーの種類により大きく変わります)
- 暗電流増加などバッテリー劣化以外の場合:5,000~15,000円前後
●スターターモーターの故障
- 新品で交換:約75,000円
- リビルト品で交換:約40,000円
- 中古品で交換:約20,000円
●エンジン焼き付き
- エンジン交換:20~30万円
- エンジン修理:数万~数十万円
次のページで実際にあった3つの故障事例を紹介します。
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