【ステップワゴンRK5】エンジン回転数を上げるとオートテンショナーからガラガラと異音がするときの原因と対処法は?

RKステップワゴン テンショナーよりガラガラ音 原因と修理実例を解説! ステップワゴン
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Honda車のよろず相談所の工場長の経歴
●主な資格

  • 国家一級整備士
  • ホンダサービスエンジニア1級
  • フロントマネージャー資格
  • 自動車検査員

ホンダディーラー10年以上の知識と経験を生かして、誰にでもわかりやすく解説していきます。

ステップワゴンでエンジン回転数をあげるとオートテンショナーからガラガラと異音がする原因は?

アイドリング状態からアクセルを少し踏み込み回転数が上がる時、ガラガラ、カラカラ、ブィーンなどと打音の様な音が前方から聞こえた時に故障の原因として考えられるのは
オートテンショナーのダンパー部分の故障】です。

RKシリーズのステップワゴンや、同じR20A型のエンジンを使用しているストリームやCR-Vなどでも同じ症状が出る事があります。

R20A型のエンジン
R20A型エンジン

ガラガラ音がしたらどこを確認したらいいか?

確認手順は3つです。

  1. 補助者を運転席に乗ってもらい、エンジンルームを開けましょう。
  2. 補助者に症状が出る様にアイドリング状態から回転数をあげてもらい症状を再現させます。
  3. どの辺りから音が発生しているのかを確認する。
異音の場所
赤○周辺を要確認

各工程のポイントを解説します。

1、補助者を運転席に乗ってもらい、エンジンルームを開けましょう。

2、補助者に症状が出る様にアイドリング状態から回転数をあげてもらい症状を再現させます。
この時、じわじわ回転数をあげるのではなく、一瞬アクセルを全開で踏んで勢いよく回転数を上げると症状が出やすいです。

3、どの辺りから音が発生しているのかを確認する。
エンジンルームから見て左側から音が発生していれば、テンショナーのダンパー部からの音で間違いないでしょう。ペンライトなどでも照らしてもみれば、異音に合わせてブルブル震えるテンショナーが見えます。
発生源を特定する時は、サウンドスコープという自動車用に聴診器があると便利です。先端を発生源に当てて音を確認するだけの簡単ですがとても効率的な工具です。

自分で修理できるのか?

ジャッキアップできる設備と自動車整備用の工具、車の構造知識があれば可能ですがDIYの作業はあまりお勧めしません。

自動車リフトがあれば比較的難しい作業ではありませんが、平駐車場でリジットジャッキでこの作業はかなり高難度です。

整備工場で車がリフトを使用してジャッキアップされている様子
自動車リフト

怪我や車両破損の原因にもなるので、ディーラーに依頼する事を推奨します。

エンジン回転数を上げるとガラガラと異音がする症状で、実際にディーラーに修理に持ち込まれた事例

最近発進時やアクセルを煽るとエンジンルーム辺りから、【ガラガラ】【カラカラ】【ブィーン】を混ぜたような音がするという事で修理の依頼がありました。

車種:ステップワゴン
型式:DBA-RK5
走行距離:90000キロ

RK5のステップワゴン
RK5 ステップワゴン
工場長
工場長

症状発生時の状況を詳しく教えて下さい。

ユーザー
ユーザー

エンジンルーム辺りから、【ガラガラ】【カラカラ】【ブィーン】を混ぜたような音がします。

工場長
工場長

いつから発生してますか?

ユーザー
ユーザー

私が気付いたのは先日ですが、家族は半年前くらいから音が鳴っていたと言っています。

工場長
工場長

いまも症状は確認できますか?

ユーザー
ユーザー

はい、今もアクセルを踏めば症状が出ます。

実際に確認できた症状

エンジンを始動して軽くアクセルを煽ると、回転数上昇と合わせて【ガラガラ】【カラカラ】【ブィーン】を混ぜたような音がしました。

特にアイドリング状態から急激にアクセルと開ける(一瞬)と顕著に症状が確認が取れるが高回転域では異音が発生しませんでした。

ホンダの修理工場でDBA-RK5のステップワゴンのエンジンルームを整備してるい整備士
回転物の近くは注意しましょう

実際に詳しく診断した結果

異音がなっている周辺でサウンドスコープを、補器ベルトの張りを自動調整するオートテンショナーに押し付けてアクセルを煽って症状を発生させる。
(この時回転物にサウンドスコープが巻き込まれない様に注意する事)

異音に合わせてサウンドスコープで音が確認出来れば、異常部品の診断は完了。

~交換作業~

交換作業はフロント右側のタイヤを取り外したこのスペースから行います。

右タイヤを取り外した状態
作業場所

取り外した部品になります。
上がメインのオートテンショナー
下がアイドラプーリー

取り外した部品
取り外した部品

赤○のダンパー部分にはオイルが充填されています。そのオイルが経年劣化により漏れてしまいエンジン回転の振動を吸収出来なくなり、異音が発生していました。

新しい部品と古い部品
新旧テンショナー

オートテンショナーの交換時期とは?

オートテンショナーはエンジンが動いている時は常に作動している部品で非常に重要な部品です。

今回のように異音が発生した場合は、即時交換を推奨しますが、予防整備が行える部品でもあります。

異音の発生だけで済めはいいですが、最悪の場合補器ベルトの張りが調整できず補器ベルトが外れてしまい走行不能になるケースもあります。

おすすめの予防整備時期は、7年~9年目の車検時や走行距離7~8万キロ時です。
メーカーの定期交換部品ではないので明確な交換時期はありませんが、経験として7年~9年以内の距離の少ない車両や走行距離7~8万キロ未満の車両で同じ不具合はほぼ見た事がありません。

エンジン回転数を上げるとガラガラと異音がする症状の修理箇所と修理費用

修理箇所:オートテンショナーASSY、アイドラプーリー、補器ベルト
修理費用:約30,000円

新しいオートテンショナーと
取り外した古いオートテンショナー
今回の主原因:オートテンショナーASSY

異音を止めるだけの整備なら補器ベルトは不要ですが、作業中に一度取り外すのでテンショナー交換と一緒にに交換するなら工賃はかからないので、同時交換を推奨します。

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