N-BOXなど25車種の燃料系のリコール発表 ※死亡事故事例もあり

整備士のメモ
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Honda車のよろず相談所の工場長の経歴
●主な資格

  • 国家一級整備士
  • ホンダサービスエンジニア1級
  • フロントマネージャー資格
  • 自動車検査員

ホンダディーラー10年以上の知識と経験を生かして、誰にでもわかりやすく解説していきます。

皆さん、こんにちは「Honda車のよろず相談所」の工場長です。

令和5年12月8日にホンダが国土交通大臣にリコールを届け出ました。
今回は燃料ポンプのリコールで、燃料ポンプが止まってしまう可能性があるというものです。
他メーカーにも及ぶかなりの規模の大型リコールになります。
届出をされたリコールの不具合や内容について、詳しく解説していこうと思います。

R5423 リコールの概要

不具合の部位(部品名)

燃料装置(低圧燃料ポンプ)

画像出典:国土交通省

上の図の、燃料ポンプがリコール対象の部品となります。

基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因

低圧燃料ポンプのインペラ(樹脂製羽根車)において、成形条件が不適切
なため、樹脂密度が低くなって、燃料により膨潤して変形することがある。
そのため、インペラがポンプカバーと接触して燃料ポンプが作動不良となり、
最悪の場合、走行中エンストに至るおそれがある。

改善処置の内容

全車両、低圧燃料ポンプを対策品と交換する。

対象車種

N-BOX
N-BOX Custom
N-BOX +
N-BOX + Custom」
N-BOX SLASH
JF1.2.3.4

フィット
GK3.4.5.6
GP5.6

FREED
FREED+
GB5.6.7.8

VEZEL
RU1.2.3.4

ステップワゴン
RP1.2.3.4.5

SHUTTLE
GK8.9
GP7.8

N-VAN
JJ1.2

オデッセイ
RC1.2.4

N-WGN
N-WGN CUSTOM
JH1.2.3.4

GRACE
GM4.5.6.9

JADE
FR4.5

N-ONE
JG1.2

シビック
FC1

アコード
CR7

CR-V
RW1.2
RT5.6

S660
JW5

LEGEND
KC2

CLARITY
ZC5

シビック
RFK7.8

計25車種(63型式)計1.138.046台の過去最大級のリコールである。
詳しい対象範囲は国交省HPをご覧ください。

本件は、令和2年5月28日付け届出番号「4751」、「外-3039」、令和3年3月25日付け届出番号「4917」、
「外-3197」、令和4年6月2日付け届出番号「5159」、令和5年6月2日付け届出番号「5328」、
及び令和5年10月13日付け届出番号「5395」の対象拡大のリコールとなっています。

本題に入る前に、【リコール】がいまいち解らない方はこちらをご覧ください。

燃料ポンプとはどんな部品?

燃料ポンプ交換のリコールは6度目となりますが、原因を詳しく見ていきましょう。
まず燃料ポンプの役割を簡単に説明します。


【燃料ポンプ】
燃料タンク内のガソリンを燃料ポンプで吸い上げ、エンジン内部にガソリンを噴射するインジェクターへ圧送します。
そのポンプが壊れてしまうと、燃料タンクからエンジンへガソリンが供給されなくなりエンストなどの症状が発生します。
簡単にいうと、灯油を入れ替えるシュポシュポみたいな物です。

過去の事例

過去には2023年12月に、今回のリコールと同じデンソー製の燃料ポンプが付いたホンダ車が走行中エンストしてしまい、
後続車に追突され乗っていた乗っていた男性が死亡したという最悪のケースまで発生しています。

その為、ホンダからも

と案内があります。
走行中にエンジンが止まってしまったらと考えたら…プロの整備士でもあたふたするに違いありません。

他メーカーの様子

今回は、デンソーという部品メーカーの製品が原因のリコールです。その為、燃料ポンプのリコールはホンダだけではなく
他メーカーも同様のリコールが発表されています。
総数  :約1617万台
ホンダ :約807万台
トヨタ :約620万台
ダイハツ;約137万台
マツダ :約29万台
スバル :約21万台
スズキ :約3万台

ちなみに日本国内での四輪新車販売台数は約420万台ですので約4年分の新車の燃料ポンプ交換を行うことになります。

リコール作業や作業実施時期

欠陥燃料ポンプを搭載したすべての車両を無料回収しますが、部品生産が追い付いていません。
死亡事故が発生してしまい、ユーザーに周知徹底した為もあり、体制よりも届け出を優先した様です。

交換作業開始は、2024年3月以降となり全数の部品を1年程をかけて各メーカーが回収作業を行うようです。

リコール対象のユーザー様へ

心配であれば修理完了まで代車対応も可能な場合がある為、利用しているディーラーなどに相談してみるのも
いいと思います。
ご心配とご迷惑をお掛けして、大変申し訳ございません。

まとめ

令和5年12月8日にリコールの届出がされました。
今後燃料ポンプの交換が必要となり、部品生産の関係上令和6年3月以降の作業となります。
もしエンストや異常な車体振動などを感じた際は、お近くのディーラーにご相談ください。

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