N-BOX「レーダーが汚れています」の表示が出る4つの原因と自分でできる7つの対処法!放置するとどうなる?

N-BOX センシング系統の故障 レーダーが汚れいています 故障の原因と7つの対処法を解説 N-BOX
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Honda車のよろず相談所の工場長の経歴
●主な資格

  • 国家一級整備士
  • ホンダサービスエンジニア1級
  • フロントマネージャー資格
  • 自動車検査員

ホンダディーラー10年以上の知識と経験を生かして、誰にでもわかりやすく解説していきます。

みなんさんこんにちは、ホンダよろず相談所の工場長です。

今回は、N-BOXでメーター内に[レーダーが汚れています]と表示された時の対処法や実際にあった故障事例を解説したいと思います。

[レーダーが汚れています]が表示される4つの原因とは?

[レーダーが汚れています]と表示される原因は、レーダーの送受信がうまく出来ていないのが原因です。

これは、レーダー前方に障害物があったり発射されるレーダーの位置がずれていたりと様々な理由があります。

N-BOXではフロントバンパー右下にホンダセンシング用のレーダーが装着されています。

N-BOXのレーダー位置を説明している画像
レーダーの位置

このレーダーに何かしらの外的要因がありレーダー照射に影響があると、異常がある事を運転手に伝える為、メーター内に[レーダーが汚れています]と表示が出るのです。

この表示は、まだ完全に壊れてはいないが故障しているかもと車両が認識している状態です。
これを放ってお行くと完全な故障だと車両が認識や誤認識して、他の警告灯を点灯されてしまします。

次に、[レーダーが汚れています]の表示が出る原因を紹介します。

[レーダーが汚れています]の表示が出る原因

  • 過積載、牽引などによる車両姿勢の変化
  • サスペンションの改造
  • ホイールアライメントやタイヤ空気圧異常による、ミリ波レーダーの軸ずれ
  • 取り付け状態異常によるミリ波レーダーの軸ずれ
  • 衝突や強い振動によりミリ波レーダー取り付け部に歪みが生じた場合
  • 雪や雨、氷の付着によりミリ波レーダーが送受信する電波が屈折する場合
  • トンネルなど密閉された空間を走行した場合
  • 路面、側面の反射状態により検知能力が低下したとユニットが認識した場合

以上の事を簡単にまとめると[レーダーが汚れています]の表示が出るのは、次の4つの原因にまとめることができます。

[レーダーが汚れています]の表示が出る4つの原因

  1. 車両姿勢の変化
  2. ミリ波レーダー前部に雪などの障害物が付いた時
  3. ミリ波レーダーの取り付け状態の変化
  4. 走行場所によるが外的要因

この4つの状態に当てはまる時に、[レーダーが汚れています]が表示される場合があります。

[レーダーが汚れています]の表示が出た時の対処法7選

運転支援システムの一部が使用できません
レーダーが汚れています
メーター内にこの[レーダーが汚れています]が表示された時の対処法

[レーダーが汚れています]の表示が出た時の対処法は大きく分けて7個あります。

  1. レーダー付近の汚れをふき取る
  2. 荷物を降ろす
  3. タイヤの空気圧を基準値に調整する
  4. レーダーの再エーミングをする
  5. レーダー本体の交換をする
  6. 取り付け位置を修正する
  7. レーダーユニット&システムの交換

[レーダーが汚れています]の原因により対処が異なる為、なぜこのような表示がでてしますのかを解説したいと思います。

原因別対処法①車両姿勢の変化が原因の場合の対処法

路上でパンクして止まっているホンダ車
パンクすると車両姿勢が大きく変化します
サスペンションの調整・修理パンク修理空気圧調整
ディーラーでの修理費用数万~100,000円2000円0円
民間整備場での修理費用数万~100,000円2000円0円
修理費の一覧

空気圧調整や荷物降ろしなどは自分で行えますが、サスペンションの調整修理は専用工具が必要な為、ディーラーや修理工場へ依頼しましょう。

空気圧はこの様な工具があれば空気を入れたり抜いたりを自宅でも行えます。

車両姿勢の変化は基本的に純正状態に戻事や規定値に調整する事により正常な状態に戻ります。

  • サスペンションを改造している⇒元に戻しましょう
  • 荷物の過積載⇒荷物を降ろしましょう
  • 空気圧を異常に調整している⇒基準値に調整しましょう
  • 空気圧が減っている又はパンクしている⇒規定空気圧に調整&パンクを修理しましょう

原因別対処法②ミリ波レーダー前部に雪などの障害物がついた事が原因の場合の対処法

白いN-BOXのバンパーに雪が積もっている様子
このくらいの積雪でも[レーダーが汚れています]が表示されます

雪がバンパーに付着している場合は自分で取り除いてみましょう。
それでも、変化がない場合はディーラーや修理工場に依頼しましょう。

診断費用
ディーラーでの修理費用5,000円前後
民間整備場での修理費用5,000円前後
診断費一覧

雪道や泥道走行や雨などで明らかに汚れが付いた後に、[レーダーが汚れています]が表示された場合は、汚れを取り除きましょう。

水洗いが布で傷がつかない様にミリ波レーダー前部付近のバンパーを清掃してください。
清掃後すぐには[レーダーが汚れています]の表示は消えません。

数km~数10km走行して正常が数値がユニットに記憶されると、自動で[レーダーが汚れています]の表示は消灯します。

数100km走行しても変化がない場合は、一度記録されたDTC(故障コード)を消去する必要があるのでディーラーなど整備工場に依頼しましょう。

DTCの消去にはOBDのスキャンツールという診断機が必要です。
DTCの確認方法、消去法を解説している記事があるので、興味ある方はご覧ください。
●DTCとは何か?

●OBDスキャンツールを使用したみた記事

●使用したOBDスキャンツール

原因別対処法③ミリ波レーダーの取り付け状態の変化が原因の場合の対処法

エーミングやフレーム修正などは、専用機器が必要なため自分で修理作業は行えません。
ディーラーや民間整備場に依頼しましょう。
※民間車検場では、エーミングやフレーム修正の設備がない場合があります。

エーミング費フレーム修正やバンパー交換
ディーラーでの修理費用10,000円前後200,000~400,000円前後
民間整備場での修理費用10,000円前後200,000~400,000円前後
修理費用一覧


ミリ波レーダーの取り付け状態が変化する原因は2つあります。

  • 繰返しの振動や強い振動による変化
  • 地面や壁と車体の衝突による変化

●繰返しの振動や強い振動による変化

振動による変化は、悪路を沢山走る方や、高い段差を降りるなど前輪に強い衝撃を与える乗り方をする方によく出ます。
この対処法は、ミリ波レーダーの再エーミングが必要です。走っていれば自然と治るものではありません。

●地面や壁と車体の衝突による変化

よくあるのが、バンパーを壁に擦ってしまい中のフレームが歪んでしまったり、フロントの下回りを強く打ってフレームが曲がってしまう事があります。

右前バンパーを擦ってしまった白いN-BOXの写真
このくらいの擦り傷でもフレームが歪んでいました。

この対処法は、フレーム修正を伴う板金修理が必要です。

原因別対処法④走行場所による外的要因が原因の場合の対処法

トンネルを走行しているホンダ車
トンネルは光が乱反射しやすい場所です

ディーラーや民間整備場に依頼した時の修理費用は以下の通りです。

DTC消去
ディーラーでの修理費用5,000円前後
民間整備場での修理費用5,000円前後
修理費一覧

トンネルなど閉鎖された場所の走行や、鏡張りのビル街の走行など外的要因で[レーダーが汚れています]の表示が出てしまった場合の対処法は、数km~数10km走行してください。

この場合は、学習値がズレてしまっただけなので正常な学習値が学習されれば、自然と消灯します。

数100km走行しても変化がない場合は、一度記録されたDTC(故障コード)を消去する必要があるのでディーラーなど整備工場に依頼しましょう。

[レーダーが汚れています]の表示が出た際の車への影響は?

ホンダセンシング系の警告灯が表示されている時は、基本的にホンダセンシングは全部又は一部の機能を停止しています。

[例 JF3型N-BOXの場合]

●DTC:P2583-97 ミリ波レーダー汚れ

ACC作動停止
CMBS警告灯点灯+作動停止
LKAS
路外逸脱制御装置警告灯点灯+作動停止
ブレーキシステム(橙)
オートハイビーム
後方誤発発進抑制機能
警告灯/機能の状態

●DTC:P2583-76 カメラ/レーダー統合制御システム 一時的な作動停止(ミリ波レーダー軸ずれ)

ACC警告灯点灯+作動停止
CMBS警告灯点灯+作動停止
LKAS
路外逸脱制御装置警告灯点灯+作動停止
ブレーキシステム(橙)
オートハイビーム
後方誤発発進抑制機能
警告灯/機能の状態

●DTC:U3000-49 ミリ波レーダー内部故障

ACC警告灯点灯+作動停止
CMBS警告灯点灯+作動停止
LKAS警告灯点灯+作動停止
路外逸脱制御装置警告灯点灯+作動停止
ブレーキシステム(橙)警告灯点灯+作動停止
オートハイビーム
後方誤発発進抑制機能作動停止
警告灯/機能の状態

上記の様に、原因となるDTC(故障コード)で警告灯の点灯や作動停止する物が異なります。

何が原因でも、不安な場合はディーラーなど整備工場で点検を受ける事をお勧めします。
診断費は5,000~10,000円が相場です。

放置するとどうなるの?

故障をそのまま放置しても、自動車の基本作動の走る・止まる・曲がるに直接的な影響はありません。

ミリ波レーダーが作動しないままだと、ホンダセンシング全般の作動が停止したままになり、本来期待される安全装置が作動しません。

また、警告灯が点灯している場合は車検に通らないなどの不都合もあるので早めに対処しましょう。

次のページで実際にあった2つの故障事例を紹介します

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