バッテリー上がりとはどんな症状?原因と対策をディーラー整備士が解説!

バッテリー上がりの原因と対策を解説 整備士のメモ
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Honda車のよろず相談所の工場長の経歴
●主な資格

  • 国家一級整備士
  • ホンダサービスエンジニア1級
  • フロントマネージャー資格
  • 自動車検査員

ホンダディーラー10年以上の知識と経験を生かして、誰にでもわかりやすく解説していきます。

現役のディーラー整備士が、バッテリー上がりの原因と対策を分かりやすく解説します!

バッテリーが上がってしまうとエンジンの始動が出来なく、ロードサービス等を手配する事になります。
ロードサービスも到着まで1時間前後が多く、場所や繁忙期だと数時間~半日かかる場合もあるのです。

もしバッテリー上がりを出勤時に発生させてしまうと遅刻をしてしまいます。
旅行の途中なら大幅な予定変更が余儀なくされます。

そんな誰もなりたくないバッテリー上がりですが、JAFのロードサービス出動理由のNo.1が[バッテリー上がり]なのです。

JAFの出動理由の円グラフ
バッテリー上がりが40%を占める
バッテリー上がりが40%を占めます

しかしバッテリー上がりは原因から正しく学び、正しく対策をすればほぼ予防が出来るトラブルです。

そんなバッテリー上がりの原因と対策を分かりやすく解説していきます♪

バッテリー上がりとはどんな症状なのか?

高速道路でバッテリー上がりを起こしてしまった自動車
出先でバッテリーがあがったら…

バッテリー上がりの症状は、主に下記の3つの症状として現れます。

  1. エンジンが始動できない
  2. キーレスで開錠・施錠ができない
  3. キーオン状態でヘッドライトやメーター内のランプが反応しない

全て12Vバッテリーの充電状態が低下して、エンジンシステムやキーシステムなど各システムに十分な電気を送れない事が原因です。

通常バッテリーは充放電を繰り返しており、消費した電気はエンジンが掛かれば発電機から補充されます。
しかし、何らかの原因で補充される電気より消費する電気が多い場合にバッテリー上がりが起きてしまいます。

バッテリーが上がってしまう原因と対策とは?

バッテリー上がりの原因は主に下記の5つに分類できます。

  1. バッテリーの充電不足
  2. バッテリーの劣化
  3. ヘッドライトやルームランプの消し忘れ
  4. ドラレコなど後付け品の不具合
  5. 車両の不具合
工場長
工場長

一つづつ詳しく解説していきます。

バッテリーの充電不足

バッテリーの充電不足によるバッテリー上がりは、短距離の繰返し運転が多い方やそもそも年間走行距離が3000km未満の方などに多く見られます。

最近のハイブリッド車は、燃費や電費向上の為にガソリン車に比べて満充電状態にしない傾向にあります。その為、年間走行距離が5000km程度でも乗り方によって充電不足によりバッテリーが上がる場合があります。

対策は、走行充電をするか充電器をしようして補充電を行う方法があります。

駐車場のそばにコンセントがある場合はこのような充電器を使ってバッテリーへの補充電が可能です。

●ミニバイクから大型トラックまで幅広いサイズに対応!

無駄にバッテリーを上げてしまい、バッテリー交換をすると費用は20,000~40,000円程します。

それを考えると10,000円程度で購入できるバッテリー充電器はバッテリー上がりに対する効果的な対策だと思います。

バッテリーの劣化が原因の場合

バッテリーを交換している自動車整備士
バッテリーは定期的に交換しましょう

原因はバッテリーの劣化なので、バッテリー上がりの対策新しいバッテリーに交換しましょう。

バッテリーの交換時期は、アイドリングストップバッテリーは2年半~3年または4万km普通バッテリーは3年または5万kmです。

交換時期を超えてバッテリーを使用していると、劣化によりバッテリーに貯められる電気量が徐々に減ってしまい最終的には、エンジンを始動するパワーがなくなってしまいます。

工場長オススメバッテリー4選&オススメしないバッテリー

●工場長オススメバッテリー4選

  • 各メーカー純正バッテリー
  • GSユアサ製バッテリー
  • パナソニック製カオスバッテリー
  • ボッシュ製バッテリー

上記4つはどれを購入されても問題なく安心してお使いになれます。
値段も高めな設定ですが、高いだけの安心感はあります。

バッテリーのサイズはこちらからお調べ出来ます。

●オススメしないバッテリー

オススメしないバッテリーは”激安品のバッテリー”です

オススメしたバッテリーの半額などネットショップを探すと物凄い安いバッテリーもあります。

そういったものは絶対は使用しない方がいいです。
バッテリーは有名メーカーでも品質管理が難しく高品質な物を低価格で流通されるのが難しいのです。

過去には、ネットショップでバッテリー交換してから車の調子が悪いと入庫されたお車で、いくら補充電しても充電されない激安バッテリーを見た事があるのでご注意ください。

ヘッドライトやルームランプの消し忘れが原因の場合

駐車所でヘッドライトがついている自動車の画像
施錠したらライトの消し忘れを確認しましょう

エンジンを止めた際に、ヘッドライトやルームランプを消し忘れてしまい、バッテリーの電気を少しづつ使っていまい数時間かけてバッテリーを上げてしまいます。

このような原因の対策は、車から降りて施錠してからヘッドライトやルームランプの消し忘れがないか車を一周見て回りましょう。
凄く原始的ですが、間違いなく一番効果があるバッテリー上がりの予防策です。

電子制御が進んだ最近の車両では、施錠をすると数十秒~数分で室内外の灯火がすべて消灯するタイプもあります。

ドラレコなどの後付け品の不具合が原因の場合

ドライブレコーダーを取り付けているホンダの整備士
ドラレコの取り付けは信頼のディーラーへ

ここ数年で増えてきたドラレコなどの後付け品の不具合でバッテリーがあがってしまいます。

ドラレコの駐車監視設定が長時間になっていたり、取り付け時に配線の誤接続でエンジンを止めても用品が動いている状態になってしまい、待機電力(暗電流)が通常より増えてしまいバッテリーがあがってしまいます。

高めのドラレコには、電圧が規定値以下になると駐車監視機能を止める物もあります。

対策は、イグニッションOFF時で車内で動いている後付けの用品がないかを確認する。
ドラレコの駐車監視時間の設定を短めに。

また、ドライブレコーダー購入時のポイントは下記の3つです。

  1. 駐車監視設定の時間が調整できる物
  2. 規定電圧以下で作動が止まる物
  3. 取り付けは信頼できる所に依頼する

工場がお勧めするドライブレコーダーはこちらです。
性能も良く、不良もすくないので、安心でご利用できます。

車両の不具合が原因の場合

故障している自動車に診断機を接続しているホンダの整備士

車両の不具合の特定は診断が必要です

車両の部品に不具合が起きたり、ソフトウェア異常により待機電力(暗電流)が増大してしまい、バッテリーが上がります。

この場合は、バッテリーを交換しても再発する可能性がとても高いです。

バッテリーが交換時期を過ぎていたり、ヘッドライトやルームランプの消し忘れなど、バッテリー上がりの原因が明確ではない場合は必ず待機電力(暗電流)の測定を行いましょう。

暗電流は電流量の測定ができるテスターがないとできません。

暗電流の測定は[暗電流の点検方法]で詳しく解説しているので、興味がある方はご覧ください。

オススメしないバッテリー上がりの対策

ここでは、あまり効果がない対策や、やらない方がいい対策の2つを紹介します。

あまり効果がないバッテリー上がりの対策

・ソーラーシステムによるバッテリーの補充電

最大出力25mAとありますが、正常な車の暗電流は10後半~20mAです。
常に最大出力が発生するわけではないので、あまり期待はできません。

商品代と取り付け工賃などを加味すると費用対効果は低いです。

●バッテリーカットターミナル

こちらの商品は、バッテリーとハーネスとの間に取り付けて、電気の遮断を行うスイッチ機構です。

これを使用するとバッテリー端子を外す行為と同じで、最近の車両で安易にバッテリーの端子を外すと色々と不具合が発生します。

例えば、ナビのセキュリティが作動したり、ナビの設定がリセット、車両コンピューターがリセットされて学習作業が必要になったりします。

また、接点なので頻繁にしようすると接点不良を起こして走行中突然バッテリーから電気が供給されなくなりエンジンが止まってしまったりする場合がありあまりお勧めはしません。

長期間使用しない時にこの商品を使うならバッテリー端子を直接外した方がいいでしょう。

バッテリー上がりを起こした時の対処法

街中でバッテリー上がりを起こしてしまった自動車

バッテリー上がり時の対処法

バッテリー上がりを起こした時の対処法は主に3つあります。

  1. ロードサービスを呼んでエンジンをかけてもらう
  2. 他車を使いジャンプスタートをしてエンジンをかける
  3. ジャンプスターターやバッテリーを充電してエンジンをかける

1.ロードサービスを呼んでエンジンをかけてもらう

JAFや加入している任意保険に付随しているロードサービスを利用すると無料で対応してもらえる場合があります。

2.他車を使いジャンプスタートをしてエンジンをかける

他車のバッテリーを借りて、エンジンをかける方法です。

ジャンプスタートには、ブースターケーブルが必要です。
一つあれば、自分の保険にもなりますし、出先で困っている方の手助けもできるので、是非持っておきたい商品です。

ジャンプスタートのやり方は、お車の取り扱い説明書やWebでも確認ができます。

3.ジャンプスターターやバッテリーを充電してエンジンをかける

ジャンプスターターとは持ち運びが出来る補助バッテリーで、接続してスイッチを押せばエンジンをかける事ができるものです。事前に充電をしておく必要があるので注意が必要です。

バッテリーが上がってしまって時間がある時は、充電器を使用してバッテリーを補充電すれば再度エンジンをかける事が可能です。

バッテリー上がりを起こすと、バッテリーの劣化が急激に進み電気を貯められる量が減るので使用歴1年以上の場合は充電より交換を推奨します。

暗電流の点検方法

故障している自動車に診断機を接続しているホンダの整備士
暗電流の点検方法

バッテリー上がりの診断を行う上で最も重要なのが[暗電流]です。

暗電流とは、イグニッションOFF時に流れる待機電流の事を指します。

自動車は、イグニッションOFFでもカーナビやECUの学習値保持の為に数十mAの電流が流れています。何かの不具合で暗電流が規定値を超えてしまうと、バッテリー上がりに直結するのです。

暗電流はこの様なサーキットテスタを使用して点検します。
サーキットテスタは、色々とメンテナンス時にあると便利です♪

この商品が物凄く安いですが、オーム電機という日本の信頼できる電気機器メーカーです。

●暗電流の正しい測定方法

測定時の注意ポイント

  • 装備品が正しく取り付けられている事
  • スマートキーが車両近くにあると暗電流が過大になる
  • 全てにドアが確実に閉まっている事

1.イグニッションをONにする

2.イグニッションをOFFにしてスマートキーを持って外に出る。

3.スマートキーのロックボタンを押して、ドアをロックする。

4.インテリアライトが消灯している事を確認し、かつセキュリティがセットされている事を確認する。

型式によりセキュリティアラームシステム作動表示灯の位置はかわりますが、すべてオレンジの丸いランプです。

通常、スマートキーで施錠させるとセキュリティ作動灯て早いく点滅します。その後、ゆっくりの点滅にかわればセキュリティシステムがセットされた事がわかります。

メーター内のセキュリティアラームインジケーターの場所を示した画像
セキュリティアラームがかかるとメーター内にオレンジのランプが点滅します

5.20分以上待つ

6.マイナス端子を緩めてサーキットテスタを接続する。

サーキットでスター接続時の確認ポイント

  • サーキットテスターが直流電流測定モードである事
  • 測定単位が不明な場合は、最大レンジで測定をする事

サーキットテスタプラス(+)Aをハーネスのマイナス端子(-)Bを取り付ける

サーキットテスタマイナス(-)Cをバッテリーのマイナス端子に取り付ける

暗電流の測定時のサーキットテスタの接続方法
この時はまだバッテリーとマイナス端子は接続されています

7.サーキットテスタの接続を外さない様に注意して、バッテリーマイナス端子とハーネスのマイナス端子の接続を離す

この時は[ハーネス側のマイナス端子]→[電流測定のサーキットテスタ]→[バッテリーのマイナス端子]という直列回路ができている事になる。
物凄く簡単にいうと[ボディーアース]と[バッテリーのマイナス端子]の間に[電流測定のサーキットテスター]を入れればOKなのだ。

暗電流の測定時のサーキットテスタの接続方法
各端子とサーキットテスターの接続を外さない様に注意する事

8.テスターの暗電流の数値を読み取る。

この時、サーキットテスターの接続が外れていると数値が表示されない。

暗電流の基準値

社外品の取り付けがない場合:10~20mA
社外品の取り付けがある場合:20~30mA

車種により基準値は異なりますが、ほぼ上記を基準にすれば大きくは違いません。
稀に高級車両など巨大なバッテリーを積んている場合は40~50mAが基準の場合のあります。

もし暗電流が基準値を超えていた場合は、さらに20分経ってから再測定する事。

暗電流の測定を行い、基準値を超えていた場合はディーラーに診断の依頼をしましょう。
暗電流過大の診断費は5,000~10,000円が相場です。

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