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冷間時にエンジンかけたらチェックランプが点灯する原因は?
基準となる温度も後程、解説しますので最後までお読みください。
冷間時にエンジンをかけてメーター内の青い低温表示灯が点灯している時に、アイドリングが不安定になったりガクガク・ブルブルと震える様な症状が出たりチェックランプが点灯するのは
【インテークバルブ上部にカーボンデポジットが過剰に付着しエンジンが失火している】のが原因です。
上の図で赤○で囲んである部品がインテークバルブでエンジンの中に組み込まれています。
このインレットバルブの上部にカーボンデポジットが過剰に蓄積されて気流が乱れうまく燃焼が出来る失火としてチェックランプが点灯します。
チェックランプが点灯しない時のガクガク・ブルブルは失火の予兆の可能性があるので、症状を感じる場合は早めにディーラーで診断してもらってください。
インレットバルブにカーボンデポジットが異常に蓄積する原因は?
それは、ブローバイガスが原因です。
ブローバイガスとは、燃焼室に噴射された混合気(ガソリンと空気の混じった気体)がシリンダーとピストンの隙間からクランクケース内に漏れ出たものです。
現在の法律では、ブローバイガスの大気解放はNGなので、吸入側に戻してエンジン内で燃焼させています。
上の図の【B】がブローバイガスを吸入側に戻るホースで赤い矢印の向きにブローバイガスが流れます。
そして、2番3番シリンダーのインマニの間にガスが放出されます。
そのガスがすこしづつ2番・3番のインレットバルブに付着して失火を引き起こす原因となるのです。
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インレットバルブにカーボンデポジットが原因で失火が発生していると考えられる場合の診断方法とは?
※この診断には必ず診断機が必要です。
まず大前提として【エンジン水温が61度以上ではこの故障は症状が出ません】のでご注意ください。
また、チェックランプが点灯している時【失火しているシリンダーが2番・3番である】事が条件です。
チェック方法は
- チェックランプが点灯している時
- チェックランプが点灯していない時
この2パターンがあります。
チェックランプが点灯している時のチェック方法
チェックランプが点灯している時は、車両が故障を認識しているので、DTC(故障データ)が記録されています。
まず、DTCを確認する所がスタートです。
↓↓DTCの確認方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
確認したDTCが
- P0302 No.2シリンダ失火
- P0303 No.3シリンダ失火
このどちらかのDTCか両方が入っている事。これ以外の場合は他の原因があります。
P0302、P0303が記録されていた場合は、エンジン水温が【60度以下】と【61度以上】で失火が変化するかを確認します。
診断機では、DTCが入力された前後数十秒のデータが保存されています。そのデータを基に
エンジン水温【60度以下】で失火して、【61度以上】になると失火が収まるかを確認します。
データが保存されていなかったり、確認できない場合はエンジン水温によってアイドリングの不安定さが変化するかで確認する事も可能です。
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チェックランプが点灯しなていない時のチェック方法
チェックランプが点灯していない場合は、完全に失火している訳ではなく、やや失火気味な状態が考えられます。
判断方法としては、エンジン水温【60度以下】の時、診断機のデータリスト(現在のエンジン正常状態が見れる)で、徐々に2番3番の失火カウンターが上昇するかを確認します。
各シリンダーの角速度を見比べて2番3番の角速度が1番4番と比べて低いかどうかで判断してもいいでしょう。
角速度が一定以下になるとECUは失火を検知するが、検知しない程度の失火でも運転してみると違和感を感じる事もあります。
角速度が他のシリンダーと遅い場合、何らかの原因でうまく燃焼ができていない事が考えられます。
【60度以下】の時に、2番3番の失火か角速度が少し遅い事を確認して、
【61度以上】の時に、失火や角速度が遅れる症状がなくなるか。
60度で症状に変化がある場合は、インレットバルブのカーボンデポジットの蓄積が原因と判断できます。
61度以上でもずっと失火している場合
この場合は、プラグとコップコイル、圧縮圧力が正常の場合は、燃料を噴射するインジェクターのカーボン付着が考えられます。
インジェクターのカーボン付着による失火の故障事例があるので、こちらも併せてご覧ください。
インレットバブルの汚れが原因で失火してしまい実際にディーラーへ修理に持ち込まれた事例
車種:フリード
型式:DBA-GB5
走行距離:70000キロ
本日はどうなさいましたか?
今朝、エンジンかけて5分くらい車内で出発の準備をしていたらチェックランプが点灯しました。
どんなチェックランプですか?
このマークです。
車両になにか違和感はありましたか?
いつもよりブルブル振動があった様な気がします。
今も症状出ていますか?
エンジン掛けなおしたら、
今の所チャックランプは消えて走行も出来ます。
なにか前兆の様な事はありましたか?
私は感じませんでしたが、家族が最近エンジンかけはじめにブルブル振動がすると言っていました。
承知いたしました。
それでは、お車を拝見させて頂きます。
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実際に確認できた症状
エンジンを始動してアイドリングテストやテスト走行を実施しました。
特にアイドリングテストやテスト走行では違和感は感じれませんでした。
チェックランプ、DTCの有無を確認してみた
チェックランプ:なし
DTC:あり
DTCコード:P0302 No.2シリンダ失火
P0303 No.3シリンダ失火
実際に詳しく診断した結果
問診で朝一エンジンをかけて5分以内でのチェックランプ点灯なので、【インテークバルブのカーボンデポジットによる失火】を疑った。
入庫時は水温61度以上で失火はなかったので、診断条件の【60度以下で失火が発生】するかを確認するために車両はお預かりしました。
数時間おいて水温が下がった時に再診断を実施します。
- 診断機のデータリストで水温が60度以下な事を確認する
- エンジンを始動して失火状態を確認する
- 2番3番に常にではないが、失火カウントが上昇している
- 角速度も1・4より2・3番の方が遅く推移している
- 水温が61度以上になると失火カウントが止まる
上記の診断からインテークバルブのカーボンデポジットの異常蓄積だと判断ができた。
試しに、インテークマニホールドを取り外してみて、インレットバルブの状態を確認した。
○失火が入った2番3番のインレットバルブ(上部)
○正常な4番インレットバルブ(上部)
正常な4番のは、綺麗な状態ですが2・3番はヘドロの様なものが蓄積しています。
このヘドロがカーボンデポジットで、気流が乱れる事により失火が発生します。
水温【60度以下】と【61度以上】では、冷間時補正の切り替わるタイミングで、燃料の濃さや噴射の仕方が60度を境に変化するので症状に変化が見られるのです。
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インレットバブルの汚れが原因で失火しまう症状の修理箇所と修理費用
修理箇所
~主な交換部品~
・インレットバルブ
・ブローバイガスの低減プレート
修理金額:約210,000円
インレットバルブの汚れが原因で冷間時にエンジンチェックランプが点灯する可能性がある該当車種は?
- FIT(GK5、GK6)
- シャトル(GK8、GK9)
- VEZEL(RU1、RU2)
- グレイス(GM6、GM9)
- フリード(GB5、GB6)
この6車種13型式は同型エンジンを使用しているので、同じような故障が起きる可能性があります。(工場長調べ)
※同型エンジンでも車種により仕様か異なる場合があります。
私自身は現場で、GB5とRU1、GK5は今回の故障と同じ症状の車を見ました。
整備士仲間との情報交換会でも、販売台数が多いフリード、フィット、VEZELは故障の件数が多いイメージです。
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マル秘?!修理方法
メーカー保証範囲で修理可能な場合は、もちろん修理を行いましょう。
保障が切れている場合、21万円の修理費は非常に高額です。
また、根本的な修理ではなく対処療法なので、同じ使い方をしていると同じ故障が起きます。
エンジンを回さずにゆっくり運転される方や繰返し低走行が多い方が発症しやすい故障です。
今は、ディーラーによっては、エンジンを分解せずにカーボンを専用の溶剤で除去したり、
ドライアイスのブラスターで数万円でカーボンを除去したりと交換以外にも修理方法があるので
もし故障が発生した時は、ディーラーに相談してみてください。
※直噴エンジンなので、ガソリン添加剤は入れても無意味なのでご注意を!
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