自働車の故障コードDTCとはなにか?確認方法や対処法を徹底解説!

DTCってなに? DTCの事や確認方法を解説 整備士のメモ
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Honda車のよろず相談所の工場長の経歴
●主な資格

  • 国家一級整備士
  • ホンダサービスエンジニア1級
  • フロントマネージャー資格
  • 自動車検査員

ホンダディーラー10年以上の知識と経験を生かして、誰にでもわかりやすく解説していきます。

故障コード:DTCとはそもそも何なのか?

DTCとは、【Diagnostic Trouble Code】の略で、車両に不具合が起きた時にどこに不具合があるのかを知らせてくれる、ECUに記録される故障コードです。
その故障コードをDTCコードと言い車両のどこに不具合があるのかを教えてくれる診断には欠かせない物です。

例えは、
P0117:水温センサ電圧低い
P0301:No,1シリンダ失火
U0029:F-CAN通信異常(ジェネレータ モータECUバスオフ)
などと、車両のどの辺に異常があるかも教えてくれます。

DTC分類図
DTCの分類図

上の図の様に、DTCは分類されています。
DTCの中でも、米国自動車技術会(SAE J2012)、国際標準規格(ISO15031-06)等で規格化されているものと、各自動車メーカーが自由に定義している2つの種類があります。

どんな時にDTCを確認するのか?

DTCを確認する時は、車両にどんな異常が発生しているのか確認する時や、修理後に異常が治っているかを確認する時です。

【~故障発生時に確認する流れ~】

色々な警告灯
引用:N-BOX取扱説明書

上の写真は警告灯や作動灯の一例です。
色んな形をした警告灯がありますよね。これは車のどの部位が異常を検知したのかを運転者に知らせるマークです。
いわゆる警告灯とは、【PGM-FI警告灯(エンジン警告灯)】や【ブレーキ警告灯】など危険な事を知らせるオレンジや赤のマークのものを指します。

自働車が故障した時は、メーターに上の写真の様な警告灯が点灯します。
これは人間で例えると、【お腹の調子が悪い】【腰の調子が悪い】など自動車のどの部分に故障が起きているかを教えてくれるマークです。
調子が悪い事がわかったので、どこが痛いのかを確認する為にDTCコードを知る必要があります。

チェックランプが点灯したら、どのシステムのどこに異常があるのかを確認する必要があります。

人間で例えると、
1、お腹の調子が悪い=メーター内のチェックランプ点灯
2、お腹が痛い=エンジンシステムに異常がある。故障コードを確認。
3、お酒の飲みすぎげ胃が荒れて胃痛がする=プラグが壊れてエンジンがブルブル震える
4、胃を休める=プラグを交換する
この様なイメージになります。

自働車は人間の様に、【お腹の調子が悪い】【腰の調子が悪い】などと言ってくれないので、ODBシステムのスキャンツールという診断機を使用してどこに異常があるのかを確認する必要があります。

ディーラーではHONDA専用の品を使用しますが、最近では数千円で購入できるOBDのスキャンツールもあります。

ODBのスキャンツールとは?

ODBとは【On-Board Diagnostics】の略で、エンジンやトランスミッション等の電子制御装置に搭載された故障診断機能です。
ODB(故障診断機能)が搭載されているので、DTC(故障コード)が確認できるのです。

ODBのスキャンツールとは、故障診断機能で記録されたDTC(故障コード)を確認する専用機材の事です。

一般的には、メーカー専用品や汎用品があり、メーカー専用品は一般ユーザーではほぼ手に入りません。

汎用品はこの様な数千円から購入できる物もあります。


私も簡易的な時には写真の物を使用しています。

ODBのスキャンツール
ODBのスキャンツール

DTCを確認するには?

ODBのスキャンツールを使用します。

使い方はすごく簡単で、OBDポート(診断機用コネクタ)にこのスキャンツールを接続するだけです。

ODBポート
OBDポート(診断器用コネクタ)

このOBDポートは、ホンダ車の場合は運転席足元にあります。古い車は、助手席側やセンターコンソール奥、もっともっと古いと付いていない車両も稀にあります。

ODBポートにスキャンツールを差し込み画面を操作するとDTCコートが表示されます。
今回は吸気温度センサーのカプラを抜いて疑似的に故障を作ってDTCを表示させています。

DTCコードP0113
DTC:P0113 吸気温度センサ1電圧高い

吸気温度センサーのカプラーを付け治して、DTCをクリアすると記録されているDTCはなくなり、車両に異常がない事も確認ができます。

DTC確認
DTCがない事を確認

日本語訳に少し違和感がありますが、上の写真は【障害コード0】が【DTC入力なし】という事になります。

DTCを確認できたら

確認をしたDTCコードから更に故障個所をテスターなどで更に原因を絞っていきます。

故障の状態や記録されているDTCコードなどによって、診断方法は変化していきます。
例えば、失火している時にDTCを確認して、1番シリンダーが失火しているのがわかったら、トップコイルやプラグを正常な気筒と入れ替えて症状が移るかなど簡易的にわかる場合も多々あります。

ステップワゴンに診断機を接続して故障診断をしているホンダの整備士
診断機器

最近の自動車は電子制御化が物凄く進んでいるので、構造を理解せず車を分解するのは大変危険やさらに故障を悪化させる場合があります。

そんな時は、迷わずお近くのホンダディーラーへお立ち寄りください。

そしてディーラーまで行く時に忘れてはいけないのが、そのまま自走でいくのかロードサービスなど
レッカーを呼ぶのか?

自走は可能?レッカーを呼ばなきゃダメ?

レッカーされる車
ロードサービスでレッカー

メーター内のチェックランプが点灯した際は、【自走可能か】【自走は控えるべきか】の判断が大切です。

判断基準は走行した感じがいつもの感じと変化あるか・ないかです。

今の自動車にはフェールセーフと言う機能が付いていて、重大故障の場合は最低限の走行が可能になるレベルまで各システムの出力を制限する機能があります。

一般的に【走る・止まる・曲がる】に直接関係しない場合の故障は、普段通りに出力制限なしで乗れてしまいます。

なので、【スムーズに加速せずギクシャク感があったり、エンジンの出力がいつもと違う時や、ハンドルやブレーキアシストがない場合】は絶対に自走はやめてレッカーなどで早急にディーラーに入庫してください。

反対に、【走行した感じがいつもとかわらない場合】は自走にてディーラーに入庫して問題ありません。

今回の様な、【ガクガク感や加速しないなどの症状が出ている時】は、迷わずロードサービスを手配してレッカーでディーラーに入庫してください。

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