こんにちは、Honda車のよろず相談所の工場長です。
今回はGM4.5.6.9型の故障しやすい持病について解説していきます。
グレイスは2014年に発表されたコンパクトセダンで5ナンバーサイズで4ドアの車です。
グレイスにはガソリンとハイブリッドの設定があり、駆動方式も型式によって異なります。
ガソリン・HV | 排気量 | 駆動方式 | 参考価格 | |
DAA-GM4 | ハイブリッド | 1500cc | FF | 1,950,000円~ |
DAA-GM5 | ハイブリッド | 1500cc | 4WD | 2,144,400円~ |
DBA-GM6 | ガソリン | 1500cc | FF | 1,750,000円~ |
DBA-GM9 | ガソリン | 1500cc | 4WD | 1,966,000円~ |
しかし、グレイスにも故障しやすい持病があり中古車を検討されている方は特に注意が必要です。
そんなグレイスの故障しやすい持病とはなにか?そして確認方法と修理費用は?
こんな疑問をホンダ整備士の工場長が徹底的に解説していこうと思います♪
グレイスの故障しやすい持病8選
1.持病:燃料ポンプ不具合のリコール
2023.12にグレイスを含む25車種に大規模な燃料ポンプのリコールが発表されました。
内容は、生産時に燃料ポンプ内部に不具合があり最悪の場合、燃料ポンプが動かなくなりエンジンがかからない故障が発生します。
実際に走行中エンジンが停止し後続車に接触した死亡事故まで発生しているので、十分注意してください。
リコールの処置は、燃料ポンプを対策品に交換します。
燃料ポンプが故障するとかなり危険なので、必ずリコール作業が実施済か確認しましょう!
自身のグレイスやこれから購入予定のグレイスがこのリコール対象なのか?作業は終わっているのか?
その見分け方は[燃料ポンプ不具合のリコールの確認方法と修理費用]
2.持病:ブレーキが効かなくなる不具合の改善対策
こちらも上記の燃焼ポンプと同じ2023.12にグレイスを含む13車種、58万台が対象の改善対策が発表されています。
リコールと改善対策とは、車両に不具合が見つかり故障が発生する前にメーカーの責任で該当部品を交換するもので、故障個所やレベルによってかわります。
リコール・改善対策・サービスキャンペーンについて、解説している記事があるので興味がある方は是非ご覧ください。
概要は、ブレーキの油圧を発生させるBOS(ブレーキオペレーティングシミュレーター)において、内部に腐食が発生し最悪の場合、警告灯が点灯してブレーキペダルの操作力が増大する恐れがあるというものです。
改善対策の処置は、BOS(ブレーキ オペレーティング シミュレータ))を対策品へ交換します。
工場長も実際に故障が発生している車両に乗ったことがありますが、徐行から全力でブレーキペダルを踏んでも全然止まってくれません。一般道で急にそんな状況になったらと思うと…(怖)
自身のグレイスや、これから購入予定のグレイスがこの改善対策の対象なのか?改善対策は終わっているのか?
その見分け方は[ブレーキ不具合の改善対策の確認方法と修理費用]でしっかと解説していきます。
3.持病:渋滞や長い坂道で動かなくなる故障
3つ目の持病は、ミッションに搭載されているデュアルクラッチの不具合です。
GM4やGM5のハイブリッドモデルには、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)というトランスミッションが使用されています。
通常の3速ATや4速ATと違い、奇数段と偶数段の2系統の変速機構とクラッチが内蔵されているトランスミッションです。
動きとしては、自動でクラッチが操作されるのでMT(マニュアル ミッション)を自動でATとして制御してくれるトランスミッションというイメージです。
HONDAでDCTをわかりやすく解説しているサイトがあります。↓↓
元々DCTには、構造上ギクシャク感が強く発表当時から物凄くクレームがあり、当時DTC搭載の車の点検時は必ずご用命で車両がギクシャクすると言われたくらいです。
しかもこのDCTには絶対的な持病があります。
それは、長い渋滞や登り坂でミッション内部のクラッチ部が高温になり、走行不能になる持病です。
原因は、長時間の低速走行が続くと半クラッチ状態を多用してミッション内部のクラッチが焼けてしまうのです。
日光のいろは坂や中央道の談合坂付近の大渋滞時には、よくエンコしているホンダ車がニュースになるくらい故障します。
自身のヴェゼルやこれから購入予定のヴェゼルのDCTは故障していないのか?
その見分け方は[渋滞や長い坂道で動かなくなる故障の確認方法と修理費用]でしっかりと解説していきます。
4.持病:エンジン始動時に異音がする故障
4つ目の持病は、エンジン始動時に前方から[ガー]や[ガラガラガラ]の様な異音がする故障です。
特徴としては、エンジン停止直後など止めてからすぐエンジンを始動した時には発生せず、数時間~数日ぶりに始動する時に発生します。
音量は室内外のどちらでも確認が出来て、2~3秒で音は止まります。
その後は、何事もなかったかのようにチャックランプの点灯や振動もなく普通に走行が可能です。
かなり気になる異音で、放っておくのはあまり好ましくない為、注意が必要です。
今乗っているグレイスやこれから購入予定のグレイスがこの持病を発症しているのかは必ず確認しましょう。
確認方法や修理費用は後半の[エンジン始動時に異音がする故障の確認方法と修理費用]でご覧ください。
5.持病:始動時に失火してエンジンチェックランプが点灯する故障
5つ目の持病は、冷機時の始動直後に失火が起こりエンジンチェックランプが点灯するという故障です。
これは、搭載されている直噴エンジン特有の持病でRU1・RU2のヴェゼルや、GK5フィット、GK8シャトル、GM6グレイス、GB5フリードなどでも発生します。
エンジンの構造上の問題で、エンジンのインテークバルブ傘部にカーボンデポジットが異常に付着してしまい混合気がうまく吸入できずエンジン始動する時に連続して失火が発生するのが原因です。
自身のグレイスやこれから購入予定のグレイスは、この持病は大丈夫なのか?と心配だと思います。
この持病の確認方法と修理費用は[始動時に失火してエンジンチェックランプが点灯する故障の確認方法と修理費用]にて詳しく解説していきますのでご安心ください♪
6.持病:エアコンが効かなくなる故障
ヴェゼルはRU1~4型にかけてエアコンが効かなくなり冷風が出なくなる故障が多々発生します。
原因としては、エアコンガスの漏れやコンプレッサーというエアコンガスを圧縮する部品が破損します。
コンプレッサーの故障は、他車でも発生する故障ですがエアコンガスの漏れは非常に多い故障です。
このコンデンサーという車両前方についている部品からエアコンガスが漏れてしまう事が多く、写真の様に黒くもやっとしたあたりが漏れている箇所です。
コンプレッサーは下の様な部品で、内部が焼き付いてしまったり、シャフト部分から冷媒ガスが漏れてしまったります。
エアコンの修理は数万円~週十万円と高額になるケースが多々あるので、必ず確認しておきたい所です。
自身のヴェゼルやこれから購入予定のヴェゼルのエアコンは大丈夫なのかと心配だと思います。
この持病の確認方法や修理金額は[エアコンが効かなくなる故障の確認方法と修理金額]でしっかり解説していきます。
7.持病:フロントのパワーウィンドウが動かなくなる故障
7つ目の持病は、フロントの窓が開閉できなくなる故障です。
特に初期型に多い故障で、突然動かなくなったり、たまに反応しない事が続いてそのまま使い続けると全く動かなくなったりさまざまな症状が発生します。
共通するのは、運転席や助手席のスイッチで上下操作時にパワーウィンドウの窓が動かないという事です。
晴れの日に動かないぶんには運転に支障はありませんが、雨の日に突然動かなくなったら非常に困るので注意が必要です。
この持病の確認方法や修理金額は[フロントのパワーウィンドウが動かなくなる故障の確認方法と修理費用]でしっかり解説していきます。
8.ハイブリッドバッテリーの劣化
ハイブリッドバッテリーの劣化は、ハイブリッド車には決して避けられない課題です。
※このハイブリッドバッテリーとは、ハイブリッドシステムの高電圧バッテリーの事を指します。
頻発する故障ではありませんが、こんなリスクがあるというのは知っておいてください。
各車のハイブリッドバッテリーの交換費用についての参考記事があるので、合わせてご覧ください。
ハイブリッドバッテリーの確認方法と修理金額は、[ハイブリッドバッテリーの劣化の確認方法と修理金額]こちらで詳しく解説しています。
故障しやすい持病の確認方法と修理費用
次のページでは、各持病の確認方法と修理金額を詳しく解説します。
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